あたかも風のように
あたかも風のように(Comme le vent)は、フランスの作曲家シャルル=ヴァランタン・アルカンの『短調による12の練習曲』作品39の第1曲である。イ短調。プレスティッシマメンテ(Prestissimamente、 = 160)のテンポが指定され、2/16という珍しい拍子の下に高速な演奏が求められる。本作品は始終静かに進行するが、途中何回か一時的に強打が出現する。
音楽・音声外部リンク | |
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アルカン『あたかも風のように』op.39-1 | |
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d3/Comme_le_vent.png/300px-Comme_le_vent.png)
アルカンの他の練習曲がそうであるように、この作品もまた技術的に高い難度となっている。高速で正確な指さばきは勿論のこと、平均4分半の演奏時間の間、右手は23ページを埋め尽くす3連32分音符の長いパッセージを常動曲さながらに弾き続けるスタミナが要求される。
尚、アルカンの初期の作品である『3つの悲愴的な様式による3曲』作品15の第2曲『風』(Le vent)は異なる曲である。カイホスルー・シャプルジ・ソラブジは、初期の『風』をより高く評価し、『あたかも風のように』については「竜頭蛇尾であり冗長」と評していた[1]。
出典
編集- ^ K. Sorabji, Around Music, (1932), p. 217