eRuby
eRubyとは、Rubyの周辺技術の一つで、HTMLへRubyスクリプトを埋め込む事を可能とする技術である。embedded Rubyの略。ERBとも表記され、ファイル拡張子も.erbである事が多い。対象としてはHTMLだけでなく、任意のプレインテキストに適用できる。Ruby on RailsのMVCの内で、Viewの開発言語にも採用されている。
元々まつもとゆきひろの構想とePerlの実装を基にした議論から、関将俊が開発した[1]。Ruby 1.8以降のバージョンでは、Ruby処理系の標準ライブラリとして同梱されるようになった。また、前田修吾によるC実装によるeRuby処理系も開発されている[2]。
概要 編集
従来、RubyでCGIなどを作成するとき、HTML部分を記述するにはprint(もしくはputs)によってそのコードを記述していかなければならなかった。しかし、HTMLのタグを書く毎にprint文を記述するのは非常に手間がかかり、修正する場合にも多大な労力を必要としてしまうことが多い。
さらにこの方式では、CGIやWEBアプリケーションを作成しようとしたとき、プログラマーとWEBデザイナーの分離が難しく、またDreamweaverなどのWEBオーサリングツールの利用も不可能となってしまう。
そこで考え出されたのが、HTML埋め込み型の処理系であるPHPに似た文法で、HTMLにRuby文を埋め込む実装である。こうして考え出されたのが、eRubyである。
文法 編集
HTMLファイルの中に<%...%> (もしくは、<%=...%>。こちらは、<%print ...%>の省略形である)の記号で囲った空間があれば、そこをRubyが書かれた部分として認識する。
<html>
<head>
<title>eRuby</title>
</head>
<body>
<p><% Rubyコード1 %></p>
<p><% Rubyコード2 %></p>
<p><% Rubyコード3 %></p>
</body>
</html>
以上のように<%...%>と記述した箇所で、Rubyの命令が実行可能となる。それ以外の場所では、通常のHTML文が表示され、PHPと似た記述が可能となる。
その他の実装 編集
Rubyの標準添付ライブラリのERB以外にも、ERBの実装が存在する。
脚注 編集
- ^ “Ruby on Rails 5.1リリースノート”. Rails ガイド. 2018年6月16日閲覧。 “Erubis(ERBハンドラ)を非推奨化: 今後はErubiに”
外部リンク 編集
- Ruby リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > erbライブラリ(Ruby標準添付ライブラリであるERBのマニュアル)
- ERB 公式サイト