2009年広島県知事選挙(にせんくねんひろしまけんちじせんきょ)は、2009年(平成21年)11月8日に投票が行われた広島県知事選挙である[1]

2009年広島県知事選挙
広島県
2005年 ←
2009年11月8日 (2009-11-08)
→ 2013年

 
候補者 湯崎英彦 河井案里 村上昭二
政党 無所属 無所属 日本共産党

 
候補者 川元康裕 柴崎美智子
政党 無所属 無所属

選挙前知事

藤田雄山
無所属

選出知事

湯崎英彦
無所属

概要 編集

2009年の広島県知事選挙では、1993年から4期16年にわたり広島県知事を務める藤田雄山が不出馬の意向を表明し、新人5人が立候補した。過去3度の選挙は再選を狙う藤田知事に主要政党が相乗りし、日本共産党公認の候補が挑む事実上の無風選挙が続いていたため、実に16年ぶりの激戦になった。

藤田雄山知事は2006年、自身が主催したパーティーでの収入を過少申告して後援会事務局長が訴追され、さらに2007年には1997年の広島県知事選挙で広島県議会議員に金銭を供与した疑惑が発覚。そのため広島県議会から2006年12月、2007年3月の2度にわたり辞職勧告決議が可決されていた。さらに直腸癌を患ったため、5選不出馬を表明。しかし、スキャンダルにより藤田知事の影響力は著しく低下しており、後継指名すらままならなかった。そのため、ポスト藤田を選出する県知事選には、史上最多の5人が立候補(藤田が初当選した1993年11月の知事選も同数の5人が立候補)する。また民主党自由民主党がいずれも独自候補の擁立を断念した。これは県議会で多数を占める自民党系の会派が5つに分裂[2]しており、自民党系の第一勢力である自由民主党広島県議会刷新議員会・県民会議及び民主県政会(民主党系)が与党勢力、自民党系の第二勢力である自由民主党広島県議会議員会が野党勢力に属し、所属政党が同じであるにもかかわらず県議会でねじれが生じていたためである。

そのため民主党は支持組織である連合広島が推薦する湯崎英彦を支援。自民党、公明党社会民主党は自主投票に回る一方、国民新党亀井静香代表自ら、自由民主党の河井克行衆議院議員の妻で、前広島県議の河井案里を応援。なお、河井は自民党本部にも推薦を申請したが、夫が衆議院議員であるため、権力集中に対する批判を危惧した自民党により却下された。また湯崎の支援を決めた民主党であったが、民主党県議の柴崎美智子が民主党県連の反対を押し切り突如立候補を表明し、民主党から除籍された。日本共産党も独自の候補を擁立した。

5人の候補はいずれも藤田県政の継続ではなく、県政の改革を訴えた。これは藤田県政により、平成不況の影響もあるものの広島県の財政が著しく悪化し債務が増大した他、県内の産業のパワーダウンや高校進学率の全国順位の低下、中退率の増加に代表される「負の遺産」が残され、なおかつ藤田知事が広島県議会による辞職勧告決議を受け入れず、知事の職に事実上居座った結果、藤田知事に対する県民の反発が強まっていたためである。

投票は11月8日に行われ、民主党や自由民主党広島県議会刷新議員会が支持する湯崎英彦が、次点の河井案里にダブルスコアの大差をつけて圧勝し、初当選した。

立候補者 編集

立候補届出順、2009年10月22日現在のもの

候補者名  年齢 性別 所属党派 新現元別 備考
川元康裕 42 無所属 学習塾経営
柴崎美智子 54 無所属 前広島県議会議員、学習塾塾長
村上昭二 62 日本共産党 日本共産党広島県連委員長
湯崎英彦 44 無所属 通商産業省課長補佐、元アッカ・ネットワークス副社長、会社役員
河井案里 36 無所属 前広島県議会議員。河井克行衆議院議員夫人

選挙結果 編集

※当日有権者数:2307449人 最終投票率:33.71%(前回比:+6.55%pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
湯崎英彦44無所属395,638票52.31%
河井案里36無所属195,623票25.87%
村上昭二62日本共産党77,515票10.25%推薦…共産
川元康裕42無所属57,846票7.65%
柴崎美智子54無所属29,646票3.92%

投票総数777,728。無効投票数は21,460

脚注 編集

  1. ^ 広島県知事選、新人5人が立候補 11月8日に投開票 中国新聞2009年10月22日配信
  2. ^ 分裂した原因は、議長を務めて権勢を誇っていた檜山俊宏県議に対する反発から、議長選挙を機会に檜山県議を排除するかたちで「与党」が形成された。

関連項目 編集

外部リンク 編集