雪花の虎』(ゆきばなのとら)は、東村アキコによる日本歴史漫画。『ヒバナ』(小学館)にて2015年4月号(創刊号)から[1]2017年9月号(最終号)まで連載された後、『ビッグコミックスピリッツ』へ移籍して2018年7号から2020年48号まで隔週連載された[2]

雪花の虎
ジャンル 歴史漫画
漫画
作者 東村アキコ
出版社 小学館
掲載誌 ヒバナ
ビッグコミックスピリッツ
レーベル ビッグコミックススペシャル
発表号 ヒバナ:2015年4月号 - 2017年9月号
スピリッツ:2018年7号 - 2020年48号
巻数 全10巻
話数 全80話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

戦国武将・上杉謙信が女性であったという説を題材とした作品で、作者にとって初となる歴史漫画作品である[1]。詳細な歴史上の説明を要する際は、歴史が苦手な人に向けた「アキコのティータイム」という雑談や近況を交えた簡易な説明が同じページの下部で展開される[3]

以下、元服前の出来事については「虎千代」、元服後の出来事については「景虎」と記す。

登場人物 編集

長尾家 編集

長尾景虎(幼名:虎千代、後の上杉謙信
長尾家(府中長尾家)の次女。通称は虎(とら)。
妊娠中の母の夢枕に毘沙門天が現れ、生まれる子は毘沙門天の化身だと予言したため、次期城主として頼りない嫡男・晴景に代わる立派な男子が生まれるものだと期待された。
女子であったため、一度は気落ちした父が一転して姫武将として育てると宣言し、男子と同様に武道と学問を習い育った。
長尾為景
越後守護代春日山城主。景虎の父。百戦錬磨の猛将として、熾烈な領地争いに勝ち越後の多くを支配する戦国大名となったが、国内豪族との争いの火種を抱える。
長尾晴景
景虎の18歳年上の兄。越後守護代にして春日山城主。長尾家の嫡男。頭脳明晰というわけでもなく、体も弱いため、大将の器ではないと思われている。
景虎の母。娘を男として育てるという夫の方針に絶句し、妹を男として元服させようとする息子にも絶句する。
景虎の5歳年上の姉。14歳の時に坂戸城主・上田長尾家の嫡男で後に家を継ぐ長尾政景に嫁ぐ。
お仙 / お竹
春日山城の女中。お仙は空気を読まない言動が多い。
捨丸
お仙の弟。子供のころから景虎と共に春日山を馬で駆け回っていたため、馬の名手である。

林泉寺 編集

天室光育
林泉寺の第6代住持
益翁宗謙(やくおう しゅうけん)
林泉寺の僧、後に第7代住持。幼くして寺に預けられた虎千代を厳しく、時には優しく導く。初潮を迎え混乱する景虎を慰め励ます。

長尾家の家臣 編集

本庄実乃(ほんじょう さねより)
栃尾城城主。姫である景虎の男っぷりに惚れ込み、栃尾城に迎える。景虎に女子であることを隠して戦に臨むことを進言する。
黒田秀忠(くろだ ひでただ)
黒滝城城主。為景の代より仕える老臣。病弱な晴景に不満を持ち反乱を起こすが、越後の諸将をまとめ上げた景虎に敗れる。
小島弥太郎(こじま やたろう)
元山賊。頭は悪いが腕っぷしが強く、景虎の用心棒になる。
宇佐美定満(うさみ さだみつ)
景虎の軍師。
斎藤朝信(さいとうとものぶ)
赤田城城主。
シロ
景虎の影武者に抜擢された青年。後に景虎より「甘粕白太郎長重」(あまかす しろたろう ながしげ)の名を貰う。

揚北衆 編集

阿賀野川以北に城を構える豪族を総称して「揚北衆(あがきたしゅう)」と呼ぶ。

中条藤資(ふじすけ)
鳥坂城城主。揚北衆の代表的な人物。
色部勝長
平林城城主。

越後の市井の人々 編集

お凛
城下の茶屋の娘。お忍びで城下で遊ぶ「はるさん」こと晴景が心を許せる女。

甲斐国 編集

武田晴信(後の信玄)(たけだ はるのぶ)
武田家当主。幼少時から利口で、父親から疎まれていた。
武田信繁(たけだ のぶしげ)
晴信の4歳年下の弟。利口で闊達な晴信に比べると、凡人であったが、父親からは可愛がられた。
武田信虎(たけだ のぶとら)
晴信の父。老臣の諫言を聞き入れず、内政に取り組もうとしなかったため、晴信に謀られて国外追放され、の嫁ぎ先である駿河今川義元の下に身を寄せ隠居の身となる。
山本勘助(やまもと かんすけ)
武田家の軍師。

朽木谷 編集

足利義藤(あしかが よしふじ)
室町幕府十三代将軍。三好長慶に京を追われ、朽木谷に逃れてきた。
近衛晴嗣(このえ はるつぐ)
右大臣。義藤とは幼馴染。
細川藤孝(ほそかわ ふじたか)
義藤の側近。
進士源十郎藤延(しんし げんじゅうろう ふじのぶ)
義藤の側近。供御方として主に食事の準備を担当。

三好家 編集

三好長慶(みよし ながよし)
三好家当主。
千宗易(せんの そうえき)
長慶の義弟。
松永久秀(まつなが ひさひで)
長慶の腹心。

書誌情報 編集

  • 東村アキコ 『雪花の虎』 小学館〈ビッグコミックススペシャル〉、全10巻
    1. 2015年9月11日発売[4][5]ISBN 978-4-09-187188-6
    2. 2016年2月12日発売[6]ISBN 978-4-09-187565-5
    3. 2016年9月12日発売[7]ISBN 978-4-09-187565-5
    4. 2017年1月12日発売[8]ISBN 978-4-09-189444-1
    5. 2017年11月10日発売[9]ISBN 978-4-09-189752-7
    6. 2018年8月9日発売[10]ISBN 978-4-09-860103-5
    7. 2019年3月12日発売[11]ISBN 978-4-09-860276-6
    8. 2019年9月12日発売[12]ISBN 978-4-09-860435-7
    9. 2020年4月10日発売[13]ISBN 978-4-09-860660-3
    10. 2021年2月12日発売[14]ISBN 978-4-09-861006-8

脚注 編集

  1. ^ a b 新青年マンガ誌・ヒバナ、本日発刊!東村アキコらの特典や複製原画展も”. コミックナタリー (2015年3月6日). 2016年4月18日閲覧。
  2. ^ 東村アキコの時代劇「雪花の虎」スピリッツで完結、最終巻は2021年初春発売”. コミックナタリー (2020年10月26日). 2021年2月12日閲覧。
  3. ^ 『雪花の虎』注目ポイント・その1【マンガ界初!? 歴史が苦手な女子も歓迎!堅苦しい解説パートのワープゾーン完備】”. Woman Insight. 小学館 (2015年9月11日). 2016年4月18日閲覧。
  4. ^ 雪花の虎 1”. 小学館. 2016年4月18日閲覧。
  5. ^ 東村アキコが女・上杉謙信を描く「雪花の虎」1巻、「ひまわりっ」新装版も”. コミックナタリー (2015年9月11日). 2016年4月18日閲覧。
  6. ^ 雪花の虎 2”. 小学館. 2016年4月18日閲覧。
  7. ^ 雪花の虎 3”. 小学館. 2016年9月12日閲覧。
  8. ^ 雪花の虎 4”. 小学館. 2017年1月12日閲覧。
  9. ^ 雪花の虎 5”. 小学館. 2017年11月12日閲覧。
  10. ^ 雪花の虎 6”. 小学館. 2018年8月9日閲覧。
  11. ^ 雪花の虎 7”. 小学館. 2019年3月12日閲覧。
  12. ^ 雪花の虎 8”. 小学館. 2019年9月28日閲覧。
  13. ^ 雪花の虎 9”. 小学館. 2020年4月10日閲覧。
  14. ^ 雪花の虎 10”. 小学館. 2021年2月12日閲覧。

外部リンク 編集