芍薬甘草湯
効果・効能 編集
下肢の痙攣性疼痛(腓(こむら)返り)や、胃腸の激しい痛み等、急激におこる筋肉の痙攣を伴う疼痛などに用いる。
人工透析患者の腓返りに用いられることがある。透析中に足がつる場合は透析前に服用する。
保険適用エキス剤の効能・効果 編集
急激におこる筋肉の痙攣を伴う疼痛[1]
臨床試験 編集
肝硬変症患者126 例(芍薬甘草湯群65 例、プラセボ群61 例)による二重盲検ランダム化比較試験において、芍薬甘草湯はプラセボ群に対して、筋痙攣回数改善度,最終全般改善度(痙攣持続時間や痛みの程度)が有意に改善した[2]。
組成 編集
以上の切断あるいは破砕した生薬をとり、1包として製する。
方解 編集
芍薬と甘草の2生薬からなることから名付けられた。
禁忌 編集
慎重投与 編集
- 高齢者
相互作用 編集
併用注意 編集
副作用 編集
次の副作用がある[1]。
長期服用 編集
60歳以上が30日を越える服用によって低カリウム血症、偽アルドステロン症[3]。
重大な副作用 編集
間質性肺炎、偽アルドステロン症、鬱血性心不全、心室細動、心室頻拍、ミオパシー、肝機能障害、黄疸
その他 編集
注意事項 編集
高齢者は生理機能の低下、妊産婦、小児は安全性未確立のため注意が必要である[1]。
出典 編集
- ^ a b c d e f ツムラ製品情報『ツムラ芍薬甘草湯』
- ^ 熊田卓、熊田博光ほか「TJ-68ツムラ芍薬甘草湯の筋痙攣(肝硬変に伴うもの)に対するプラセボ対照二重盲検群間比較試験」『臨床医薬』第15巻第3号、1999年、p.499-523、2009年12月30日閲覧。
- ^ a b 本間真人、石原三也、千文、幸田幸直、芍薬甘草湯と小柴胡湯の連用が血清カリウム値に及ぼす影響 YAKUGAKU ZASSHI., 2006年 126巻 10号 p.973-978, doi:10.1248/yakushi.126.973