納音(なっちん)とは、六十干支陰陽五行説や中国古代の音韻理論を応用して、木・火・土・金・水の五行に分類し、さらに形容詞を付けて30に分類したもの。中国やベトナムで使用される納音図は、地球から見た土星の見かけの公転軌道図(orbit of dance of planet Saturn, 約30太陽年)に酷似し、天体観測に基づく一種の占星術と推測されるが、観測時期や由来などは不明である。生れ年の納音によってその人の運命を判断する。

荻原井泉水種田山頭火などはこの納音から俳号をつけた(井泉水は生年の納音に由来するが、山頭火は生年とは関係なく、単に音の響きなどから選んだものである)。

用語 用語の読み 干支
海中金 かいちゅうきん 甲子乙丑
爐中火 ろちゅうか 丙寅丁卯
大林木 たいりんぼく 戊辰己巳
路傍土 ろぼうど 庚午辛未
釼鋒金 じんぼうきん 壬申癸酉
山頭火 さんとうか 甲戌乙亥
澗下水 かんかすい 丙子丁丑
城頭土 じょうとうど 戊寅己卯
白鑞金 はくろうきん 庚辰辛巳
楊柳木 ようりゅうぼく 壬午癸未
井泉水 せいせんすい 甲申乙酉
屋上土 おくじょうど 丙戌丁亥
霹靂火 へきれきか 戊子己丑
松柏木 しょうはくぼく 庚寅辛卯
長流水 ちょうりゅうすい 壬辰癸巳
沙中金 さちゅうきん 甲午乙未
山下火 さんげか 丙申丁酉
平地木 へいちぼく 戊戌己亥
壁上土 へきじょうど 庚子辛丑
金箔金 きんぱくきん 壬寅癸卯
覆燈火 ふくとうか 甲辰乙巳
天河水 てんがすい 丙午丁未
大駅土 たいえきど 戊申己酉
釵釧金 さいせんきん 庚戌辛亥
桑柘木 そうしゃくもく 壬子癸丑
大溪水 だいけいすい 甲寅乙卯
沙中土 さちゅうど 丙辰丁巳
天上火 てんじょうか 戊午己未
柘榴木 ざくろぼく 庚申辛酉
大海水 たいかいすい 壬戌癸亥