』(くらら)は、朝井まかてによる長編歴史小説。『小説新潮』2014年12月号から2015年11月号に連載され、2016年3月22日新潮社より刊行された。葛飾北斎の娘で「江戸レンブラント」とも称される天才女絵師葛飾応為の知られざる生涯を描く[1]。第22回中山義秀文学賞受賞作[2]

葛飾応為「吉原格子先之図」
著者 朝井まかて
発行日 2016年3月22日
発行元 新潮社
ジャンル 長編小説
歴史小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 350
公式サイト shinchosha.co.jp
コード ISBN 978-4-10-339971-1
ISBN 978-4-10-121631-7文庫版
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眩〜北斎の娘〜』(くらら ほくさいのむすめ)と題して、2017年9月にNHK「特集ドラマ」として宮﨑あおい主演によりテレビドラマ化された[3]

概要 編集

たまたま訪れた展覧会で葛飾応為の代表作「吉原格子先之図」[4]の実物を目の当たりにして、その「他の浮世絵とはまったく違う表現方法」「光と影の美しさ」に息を呑んだ著者が、父・葛飾北斎に比べて史料も少なく謎の多いその人生、画業に惹かれて、本作の執筆を決意。応為の研究者や黒川博行の妻で日本画家黒川雅子らに取材を重ねて研究し、北斎と応為の人生とその時代の出来事を一つの年表に作成、応為の研究者間でも特定されていない作品の制作年や制作順、制作に加わった北斎作品などに関しては著者の想像、推察も加え虚実を交えつつ作品を構築していった[1][5][6][7]

「この世のすべてを色で表現したい」と願い「絵だけを描いて過ごすこと」を生涯唯一の望みとする女絵師が、口うるさく娘の再婚を促す母、北斎の名声で悪事を働く借金まみれの甥、兄弟子・渓斎英泉と恋などの人生のしがらみに悩み、大火や地震などの災いに翻弄されつつ、混沌とした歳月を経てやがて60代で「吉原格子先之図」で一つの境地へと辿りつくまでを描く[7][8]

本作執筆のきっかけとなった「吉原格子先之図」は本書の装丁にも用いられている[6][8]

あらすじ 編集

登場人物 編集

書誌情報 編集

テレビドラマ 編集

眩(くらら)
〜北斎の娘〜
ジャンル テレビドラマ
原作 朝井まかて
脚本 大森美香
演出 加藤拓(NHKエンタープライズ)
出演者 宮﨑あおい
松田龍平
三宅弘城
西村まさ彦
野田秀樹
余貴美子
長塚京三
製作
製作総指揮 佐野元彦NHKエンタープライズ
中村高志(NHKドラマ番組部)
制作 NHK
放送
放送国・地域  日本
放送期間2017年9月18日
放送時間月曜19:30 - 20:43
放送分73分
回数1
公式サイト

特記事項:
4Kドラマ
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眩〜北斎の娘〜』(くらら ほくさいのむすめ)と題し、NHK総合の「特集ドラマ」として2017年9月18日の19:30 - 20:43に放送された。主演は宮﨑あおい[3]

平成29年度(第72回)文化庁芸術祭テレビ部門ドラマの部参加作品として、NHK総合にて2017年10月7日の16:45 - 17:58に再放送された[9]。「登場人物の所作や言葉遣いなど演出にリアリティーがあり、完成度が高い」との評価を受け、芸術祭大賞を受賞[10]。同賞受賞作として、NHK総合にて2018年3月9日の22:00 - 23:13に再放送された[11]

キャスト 編集

主要人物 編集

その他 編集

スタッフ 編集

関連番組 編集

  • 特集「日本-イギリス北斎を探せ!」(2017年9月18日 9:05 - 9:50、NHK総合)[14]

受賞歴 編集

関連商品 編集

Blu-ray

脚注 編集

  1. ^ a b 朝井まかて 『眩』”. 新潮社. 2017年8月29日閲覧。
  2. ^ “中山義秀文学賞 朝井まかてさんの「眩」に”. 毎日新聞. (2016年11月14日). https://mainichi.jp/articles/20161115/k00/00m/040/030000c 2017年8月29日閲覧。 
  3. ^ a b 宮崎あおいさん主演『眩(くらら)〜北斎の娘〜』制作開始”. NHKドラマ. 日本放送協会 (2017年6月7日). 2017年8月29日閲覧。
  4. ^ コレクション5 葛飾応為 吉原格子先の図”. 太田記念美術館. 2017年8月29日閲覧。
  5. ^ 新潮社出版部 小林由紀 (2016年3月26日). “【編集者のおすすめ】『眩』朝井まかて著 この世のすべてを色で表現”. 産経ニュース (産経デジタル). https://www.sankei.com/article/20160326-Z6ZT7IW5TZNV3H7MLCMHHM7E4U/ 2017年8月29日閲覧。 
  6. ^ a b 内藤麻里子 (2016年4月29日). “読書日記 著者のことば 朝井まかてさん”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20160419/dde/012/070/013000c 2017年8月29日閲覧。 
  7. ^ a b 大阪文化部 西田朋子 (2016年6月2日). “北斎の娘描いた『眩』刊行…朝井まかてさん”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). https://web.archive.org/web/20180818120646/http://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20160523-OYT8T50136.html 2017年8月29日閲覧。 
  8. ^ a b 新潮社出版部 小林由紀 (2016年3月26日). “【編集者のおすすめ】『眩』朝井まかて著 この世のすべてを色で表現”. 産経ニュース (産経デジタル): p. 2. https://www.sankei.com/article/20160326-Z6ZT7IW5TZNV3H7MLCMHHM7E4U/2/ 2017年8月29日閲覧。 
  9. ^ 平成29年度 文化庁芸術祭 参加作品決定!”. NHKドラマ. NHK (2017年10月4日). 2017年10月8日閲覧。
  10. ^ “芸術祭大賞にNHKドラマ「眩(くらら)〜北斎の娘〜」”. NHKニュース (日本放送協会). (2017年12月27日). https://web.archive.org/web/20171227092539/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171227/k10011273281000.html 2017年12月28日閲覧。 
  11. ^ 再放送情報「眩(くらら)〜北斎の娘〜」”. NHKドラマ. NHK (2018年2月14日). 2018年2月21日閲覧。
  12. ^ NHKスペシャルドラマ『眩(くらら)〜北斎の娘〜』に、野田秀樹が出演します。”. ニュース. 野田地図 (2017年6月8日). 2017年8月29日閲覧。
  13. ^ “野田秀樹氏 6年ぶりTVドラマ出演!NHK「眩」で滝沢馬琴役”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2017年9月1日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/09/01/kiji/20170830s00041000238000c.html 2017年9月6日閲覧。 
  14. ^ NHK広報局 (2017年7月19日). “特集「日本-イギリス北斎を探せ!」” (PDF). 報道資料. 日本放送協会. 2017年9月6日閲覧。
  15. ^ 平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞受賞一覧(参加公演)” (PDF). 平成29年度(第72回)文化庁芸術祭. 文化庁. 2017年12月28日閲覧。
  16. ^ 第34回 ATP賞テレビグランプリ”. 全日本テレビ番組製作社連盟. 2018年9月14日閲覧。
  17. ^ “ママ宮崎あおい、サプライズ登場!出産後初の公の場「東京ドラマアウォード2018」”. SANSPO.COM (サンケイスポーツ). (2018年10月26日). https://www.sanspo.com/article/20181026-ZHEZ7WB54VPHHBRUJ5AS5AA3JM/ 2018年10月26日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集