田口食品株式会社(たぐちしょくひん、TAGUCHI & CO.,LTD.)は、兵庫県に本社を置く日本の洋菓子、アイスクリーム等の食品製造業者。

田口食品株式会社
TAGUCHI & CO.,LTD.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
678-0003
兵庫県たつの市揖保町揖保中300
北緯34度49分54秒 東経134度32分6秒 / 北緯34.83167度 東経134.53500度 / 34.83167; 134.53500
本店所在地 679-4155
兵庫県相生市陸東汐見塚10-5
北緯34度49分30秒 東経134度29分4秒 / 北緯34.82500度 東経134.48444度 / 34.82500; 134.48444
設立 1959年4月1日
業種 食料品
法人番号 6140001039860
事業内容 食品製造販売
代表者 田口晴喜
資本金 7,775万円[1]
売上高 282億円
主要子会社 田口乳業株式会社
Brooklyn Brands Inc.
京都レマン株式会社
イトシアドルチェ株式会社
外部リンク https://taguchico.com/
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概要 編集

日本の製菓業界は、コロナ禍鶏卵砂糖などの原料価格の高騰によって2019年の洋生菓子の小売金額が4154億円だったのに対し、2020年には3740億円と大幅な売り上げ減となっている[2]。しかしながら、ライフスタイルの変化によって、スーパーマーケットコンビニエンスストアなどで手軽に購入できる洋生菓子の売上は伸びている[2]。この流れで日本国外進出を果たすなど、伸びている企業の1つが、洋菓子ブランド「オランジェ」を手がける田口食品である[2]

会社概要 編集

1949年創業[2]

当初はアイスクリームの製造販売のみを行っていたが、季節商品であり、暑い時期には売上が伸び、寒くなる冬場は売上が下がるといったサイクルを毎年繰り返していた[2]。年間を通じての収益を安定させるため、1年を通して需要がある商品としてシュークリームの製造を開始[2]。アイスクリームの製造を通じて徹底していた衛生管理のノウハウを活かして、数億円単位の費用をかけシュークリームの製造工場を作った[2]。この後、「オランジェ」ブランドで作るシュークリームは田口食品の看板商品となる[2]

日本だけでなく米国や欧州へ販路を拡大している。

2023年3月にアメリカ合衆国ニューヨーク州の焼き菓子メーカーである「ブルックリンブランズ」を買収[2][3]

日本国外進出 編集

田口食品では2016年からアイスクリームや洋生菓子の輸出を行っている[4]。輸出は好調で、2021年時点では出荷量の1割超が輸出向けとなっている[4]。輸出量については増加の見込みだが、日本国内では生産現場の人手不足が課題となっており、関税や輸送費といった輸出コストに加え、新型コロナウイルスの影響で輸出先国の港湾施設の稼働が急遽停止するなど、物流が不安定になっている[4]。また、日本国内では原材料価格の値上がりなどもあり、2021年にアメリカ合衆国に製造工場に建設を決定した[4]

特徴 編集

  • 菓子メーカーではあるが、パティシエはいない[2]
  • 1時間で数千から1万個程商品を製造できるラインを40本保有しており、この製造ラインは機械化されている[2]
  • 製造ラインの機械化によって人件費分をカットすることで製品の小売り価格を下げると共に、カット分を原料費に回してこだわることで味を追求している[2]
  • 中小企業であるため、稟議書を通すといった承認工程がなく、社員から出た意見を実行に移すまでのスピードが迅速[2]
  • 2000年頃までは営業職はほぼ男性社員であったが、2010年頃より女性社員が増え、30%を占めるようになっている[2]
    • 田口食品の売れ筋商品である「ひかえめに言ってクリーム多めのシュークリーム」の名付け親は、当時入社3年目だった営業部の女性社員である[2]。「ひかえめに言って」というフレーズは若い世代に流行した[2]

代表的な製品 編集

ひかえめに言ってクリーム多めのシュークリーム・カスタード 編集

「もぐナビ」のベストフードアワード2022年上半期総合大賞を獲得し、2022年9月より受賞パッケージでの販売が行われた[5]

「かぶりついたらクリームが溢れるシュークリーム」を目標に開発された商品であり、シュー生地の中に空洞がないくらいに詰まったクリームが売りである[5]

カスタード以外にも、カスタードとホイップのWクリームが入った「ひかえめに言ってクリーム多めのシュークリーム・カスタード&ホイップ」も販売されており、もぐナビでの評価は、こちらも高い[5]

贅沢苺ショートケーキ 編集

探偵!ナイトスクープ』では「絶対にキレイに取り出せないケーキ」と話題になる[6]。依頼者の方が、ラベルに書かれている取り出し方の説明の通りにやっても、容器からどうしてもきれいに取り出せず、ぐちゃぐちゃになってしまうため、困っていた。家族には「そんなにムカつくんやったら、買わんかったらいいやん」と言われるのだが、めちゃくちゃ美味しいため、どうしてもきれいにきれいに取り出したいと探偵!ナイトスクープに依頼した。[6]

なお、本製品は、パッケージ容器を製造容器として、通常のショートケーキの製造工程‐スポンジケーキへクリームを塗布し、フィルムを周囲に巻き付けて、フルーツ等の盛り付けや飾り付けを行うところを、逆の手順‐パッケージ容器を逆さにし、中敷きフィルムをセットし、盛り付けのフルーツ、クリームの充填からスポンジケーキで蓋をしてひっくり返す‐で製造する手法で製造されており、田口食品はこの商品製造方法の特許を取得している[7]


あんバターどらやき 編集

サタデープラス』の「ひたすら試してランキング」の2024年1月20日放送にて「どらやき」のランキング付けが行われ、オランジェの「あんバターどらやき」が全体で3位にランクインした。チェック項目は、「あんのボリューム」「コストパフォーマンス」「生地の味」「あんこの味」「全体の味」の5項目であった[8]

とろ~りカスタードエクレア 編集

『サタデープラス』の「ひたすら試してランキング」の2023年2月4日放送にて「エクレア」のランキング付けが行われ、オランジェの「とろ~りカスタードエクレア」が全体で2位にランクインした。チェック項目は「生地の味」「チョコの味」「クリームの量」「クリームの味」「全体の味」の5項目であった[9]

出典 編集

  1. ^ 田口食品株式会社
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 専門店顔負けのスイーツを驚きの低価格で提供 海外進出を加速させる洋生菓子メーカーの躍進”. 社長名鑑 (2023年9月). 2024年5月7日閲覧。
  3. ^ 洋生菓子の田口食品、米国菓子企業買収 市場の成長期待」『日本経済新聞』、2023年3月28日。2024年5月7日閲覧。
  4. ^ a b c d アイスクリーム製造大手の田口食品 米に工場建設へ、欧州市場への供給も視野” (2021年7月30日). 2024年5月7日閲覧。
  5. ^ a b c ひかえめに言ってクリーム多めのシュークリーム・カスタードが、もぐナビ総合大賞受賞”. ガジェット通信 (2022年6月20日). 2024年5月7日閲覧。
  6. ^ a b 「探偵!ナイトスクープ」キレイに取り出せないケーキ”. 探偵!ナイトスクープ. ABC magazine(朝日放送テレビ) (2024年1月26日). 2024年5月7日閲覧。
  7. ^ 田口食品、ショートケーキ製造方法で特許取得 輸送時の破損低減」『日本食糧新聞』、2023年6月23日。2024年5月7日閲覧。
  8. ^ 毎日放送, MBS. “ひたすら試してランキング他 1月20日(土)放送内容 | サタデープラス”. MBS 毎日放送. 2024年5月10日閲覧。
  9. ^ 毎日放送, MBS. “ひたすら試してランキング「エクレア」他 2月4日(土)放送内容 | サタデープラス”. MBS 毎日放送. 2024年5月10日閲覧。

外部リンク 編集