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| genitive = Comae Berenices
| pronounce = {{IPA-en|ˈkoʊmə bɛrəˈnaɪsiːz|}}、属格:{{IPA|/ˈkoʊmiː/}}
| symbology = [[ベレニケ2世|Berenice]]'s [[頭髪|Hair]]
| RA = {{RA|11|58|25.0885}}-{{RA|13|36|06.9433}}{{R|boundary}}
| RA = 12.76
| dec= +33.3074303° - +13.3040485°{{R|boundary}}
| dec = +21.83
| culmination datetime = [[5月15日]]2120
| culmination date = 5月下旬{{R|Yamada2023}}
| quadrant = NQ3
| areatotal = 386.475
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| numbermainstars = 3
| numberbfstars = 44
| numberstarsplanets = 2
| numberbrightstars = 0
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| brighteststarname = [[かみのけ座ベータ星|β Com]]
| starmagnitude = 4.25
| numbermessierobjects = 8{{R|SEDS_Messier}}
| neareststarname = β Com
| meteorshowers = 1{{R|NAOJ_meteor}}
| stardistance = 30
| numbermessierobjects = 8
| meteorshowers = Coma Berenicids
| bordering = [[りょうけん座]]<br />[[おおぐま座]]<br />[[しし座]]<br />[[おとめ座]]<br />[[うしかい座]]
| notes =
}}
'''かみのけ座'''(かみのけざ、髪座、{{Lang-la|Coma Berenices)Berenices}})[[星座#国際天文学連合による88星座|現代の88星座]]の1つで、[[髪の毛]]をモチーフとしている{{R|IAU_constellations|Ridpath}}。[[ラテン語]]の学名 Coma Berenices は「ベレニケの髪の毛」という意味で、[[プトレマイオス朝]]3代の王[[プトレマイオス3世]]の妃で共同統治者であった[[ベレニケ2世]]の髪の毛に由来する前を冠してい称である{{R|Ridpath}}。このように[[ヘレニズム#時代区分としてのヘレニズム|ヘレニズム期]]から知られた星群であったが、主に[[しし座]]の一部として扱われており、[[16世紀]]半ばになってから星座として独立した扱いを受けるようになった
 
髪の毛に喩えられた星の多くは、かみのけ座の領域の南西部に見える「[[Mel 111|メロッテ111]]」と呼ばれる[[散開星団]]に属しており、肉眼や双眼鏡で観望することができる{{Sfn|Tonkin|2013|p=259}}{{R|Hayamizu2023}}。かみのけ座は[[銀河面]]から離れた位置にあるため明るく見える星も少ないが、その分星間物質も少ないため[[天の川銀河]]外の遠方銀河の観測には適した領域である。かみのけ座の北東部に見える[[かみのけ座銀河団]]は、銀河団の中でも最大級の規模を持つことで知られる。[[おとめ座]]との境界に近い南西部には[[おとめ座銀河団]]に属する銀河が多数見られる。
 
== 特徴 ==
[[File:春のダイヤモンド.jpg|thumb|360px|center|「[[春の大三角|春のダイヤモンド]] ({{Lang-en-short|Great Diamond}})」とかみのけ座。]]
東を[[うしかい座]]、西を[[しし座]]、南を[[おとめ座]]、北を[[りょうけん座]]に囲まれており{{R|IAU_constellations}}、[[アークトゥルス|アルクトゥールス]]・[[スピカ]]・[[デネボラ]]・[[りょうけん座アルファ星|コルカロリ]]の4星を繋いだ四辺形の[[アステリズム]]「[[春のダイヤモンド]]」に囲まれるように位置している。20時[[正中]]は5月下旬頃{{R|Yamada2023}}と、[[北半球]]では晩春から初夏にかけて見頃を迎える。領域の北端でも赤緯33.3&deg;と赤道に近い位置にあるため、[[エクメーネ|人類が居住しているほぼ全ての地域]]から星座の全域を観望することができる{{R|Ridpath_constellations1}}。
 
== 由来と歴史 ==
ギリシャ時代から、[[しし座]]と[[うしかい座]]の間にぼんやりとした星の集まりがあることは知られていた{{R|Ridpath}}。たとえば[[紀元前3世紀]]前半の[[マケドニア]]の詩人[[アラトス|アラートス]]の詩篇『パイノメナ ({{Lang-grc-short|Φαινόμενα}})』の[[おとめ座]]を詠んだ節の後には、現在のかみのけ座の星々のことを詠んだと思われる{{行内引用|彼女(おとめ座{{efn2|『パイノメナ』では、おとめ座のモデルは女神[[ディケー]]であるとされている{{R|Ito2007}}。}})の両肩の上方(北の方)に循環する星は、大きさと輝きとにおいて、大熊の尾の下に見られる星と類似する。}}{{R|Ito2007}}という節がある{{R|Hayamizu2023|Bayer1603c|Allen2013}}。
 
紀元前3世紀後半の天文学者[[エラトステネス|エラトステネース]]は、天文書『[[カタステリスモイ]] ({{Lang-grc-short|Καταστερισμοί}})』の中でこの星々の由来について2つの異なる説を紹介している。1つはベレニケ2世の髪束であるとする説で、Λέων(しし座)の節の中で「ライオンの上方(北)に見える7つの暗い星は、ベレニケの髪束である」とした{{Sfn|Hard|2015|pp=69-72}}{{Sfn|Condos|1997|pp=115-118}}。もう1つの説は[[クレータ]]の王女[[アリアドネー]]の髪束であるとする説で、こちらは Στέφανος([[かんむり座]])の節の中で「ライオンの尾の下にある髪の束もまたアリアドネーのものである」とした{{Sfn|Hard|2015|pp=30-34}}{{Sfn|Condos|1997|pp=82-86}}。このことから、ベレニケ2世の髪の毛にまつわる話が広まる以前はアリアドネーの髪の毛とする伝承が一般的であった可能性が示唆されている{{Sfn|Hard|2015|pp=30-34}}。また[[1世紀]]初頭の[[古代ローマ]]の著作家[[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス]]は、著書『天文詩 ({{Lang-la-short|De Astronomica}})』のしし座の節の中で、しし座そのものについてよりも多くの紙幅を割いてこの星々が[[サモスのコノン]]と[[カリマコス]]が伝えるベレニケの髪束であることを説明している{{Sfn|Hard|2015|pp=30-34}}。
 
[[帝政ローマ]]期[[2世紀]]頃の[[クラウディオス・プトレマイオス]]の天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース ({{Lang-grc-short|ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας}})』、いわゆる『[[アルマゲスト]]』でもこれらの星々は独立した星座として扱われなかった{{R|Ridpath}}。プトレマイオスはこれらの星を髪の房や三つ編みを意味する Πλόκαμος と呼び、「星座を構成しない星」としてしし座の節の中で取り扱った{{R|Ridpath}}。またプトレマイオスはこの星々の成す形を「ツタの葉のような形」と表現した{{R|Ridpath}}。これより9世紀ほど時代を下った[[11世紀]]のペルシア人天文学者の[[ビールーニー]]もこれらの星を「ツタの葉のような形をした集まり」を意味する Kitāb al-Tafhīm と表現しており、プトレマイオスからの影響が見られる{{R|Ridpath}}。
 
[[File:Virgo et Coma Berenices - Mercator.jpeg|thumb|360px|ネーデルラントの地理学者[[ゲラルドゥス・メルカトル]]が[[1551年]]に製作した[[天球儀]]に描かれた '''Cincinnus'''。(画像左上)]]
この星群を「ベレニケの髪の毛」という1つの星座として独立させたのは、16世紀ドイツの地図製作者[[カスパル・フォペル]]であった{{R|Ridpath|Dekker2010}}。フォペルは、[[1536年]]に木版画で製作した[[天球儀]]で '''Berenices Crinis''' という名称で3つの星の並びと豊かな髪の毛を持つ女性の星座絵を描いた{{R|Ridpath}}。奇しくも同年にライスニヒ生まれの[[人文主義者]][[ペトルス・アピアヌス]]が製作した[[星図]]にも '''Crines Berenices Triche'''(ベレニケの髪束)という名前が記されていたが、こちらは星の並びや星座絵も書かれていなかった{{R|Ridpath_Apianus}}。フォペルの描いたかみのけ座の原型は、16世紀の多くの天球儀や地図の製作者たちに引き継がれた。[[ネーデルラント]]の[[地理学者]][[ゲラルドゥス・メルカトル]]は、[[1551年]]に製作した[[天球儀]]で星座絵のデザインを髪束に変更し、ラテン語で「髪束」を意味する '''Cincinnus''' という星座名を付けた{{R|Ridpath|Dekker2010}}。このメルカトルによる髪束の意匠は、メルカトル自身の地図製作者としての名声も手伝って、のちのちまで引き継がれることとなった{{R|Dekker2010}}。[[デンマーク]]の天文学者[[ティコ・ブラーエ]]は、[[1598年]]1月に製作した手書きの星表『Stellarum octavi orbis inerrantium accurata restitutio』の中で '''COMÆ BERENICES''' の名称で独立した星座として扱い{{R|Tycho1598}}、彼の死後の[[1602年]]に刊行された天文書『Astronomiae Instauratae Progymnasmata』に収められた星表でも '''COMA BERENICES''' の名称で1つの星座として独立させた{{R|Tycho1602}}。ティコ・ブラーエの星表の影響は大きく、これ以降星座として認知されるようになった{{R|Ridpath|Bishop2004}}。
[[File:Bootes Uranometria.jpg|thumb|360px|[[ヨハン・バイエル]]『[[ウラノメトリア]]』(1603年)に描かれた[[うしかい座]]。かみのけ座は、画像右下の麦わらの束として描かれている。]]
このような経緯で成立した星座であるため、[[ドイツ]]の法律家[[ヨハン・バイエル]]が[[1603年]]に刊行した全天星図『[[ウラノメトリア]] (Uranometria)』ではまだ独立した星座として扱われておらず、[[うしかい座]]の星図と星表の中で「アラートスがおとめ座で加えた名前のない星」として紹介され、ベレニケや Cincinnus(髪束)、Rosa{{efn2|[[ペトルス・アピアヌス]]の星図に描かれた Rosa とされる{{R|Ridpath_Apianus}}。}} ([[バラ]])などの呼び名があることが示されたに留まった{{R|Bayer1603b|Bayer1603c}}。そのため、現在かみのけ座の3つの星に付されている &alpha; から &gamma; までの[[ギリシャ文字]]の符号はバイエルによるものではない{{R|Ridpath}}。これらの符号は、[[19世紀]][[イギリス]]の天文学者[[フランシス・ベイリー]]が編纂し、彼の死後[[1845年]]に刊行された星表『The Catalogue of stars of the British Association for the Advancement of Science』、いわゆる『[[星表|BAC星表]]』で付されたものである{{R|Ridpath}}。
 
[[1922年]]5月に[[ローマ]]で開催された[[国際天文学連合]] (IAU) の設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は '''Coma Berenices'''、略称は '''Com''' と正式に定められた{{R|IAU_list|Russell1922}}。このIAU第1回総会の議事録では、かみのけ座の学名が Coma としか書かれていない{{R|IAU_list|IAU1922}}が、学名と略号の提案者の1人{{efn2|デンマークの天文学者[[アイナー・ヘルツシュプルング]]と共同で提案した{{R|IAU_list}}。}}である[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の天文学者[[ヘンリー・ノリス・ラッセル]]が『[[ポピュラー・アストロノミー]]』1922年10月号に寄稿した記事では、学名は Coma Berenices で、略号を作る際に Berenices の部分が考慮されなかったことが示されている{{R|Russell1922}}。
 
日本では長くティコ・ブラーエが設定者とされてきた{{Sfn|原恵|2007|p=26,110}}が、2010年代以降はフォペルが設定者とされるようになった{{R|Yamada2023|Hayamizu2023}}。
 
=== 中国 ===
ドイツ人宣教師{{仮リンク|イグナーツ・ケーグラー|en|Ignaz Kögler}}(戴進賢)らが編纂し、[[清|清朝]][[乾隆帝]]治世の[[1752年]]に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、かみのけ座の星は、[[三垣]]の1つ「[[太微垣]]」と[[二十八宿]]の1つ「[[角宿]]」に配されていたとされる{{Sfn|伊世同|1981|pp=143-144}}{{R|Osaki1987_1}}。太微垣では、GK が天子の寵臣を表す星官「幸臣」に、39・36・27・6 と不明の1星の計5星が5人の諸侯を表す[[星官]]「五諸侯」に、31 が天子直近の武官の長を表す星官「郎将」に、&gamma;・14・16・17・13・12・21・18・7・23・26・20・5・2 と不明の1星の計15星が天子側近の護衛官を表す星官「郎位」に、&alpha; が太微垣の左の城壁を表す星官「太微左垣」の東上将に、それぞれ配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=143-144}}{{R|Osaki1987_1}}。角宿では、&beta;・37・41 の3星が周の王室に伝えられた鼎を表す星官「周鼎」に配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=143-144}}{{R|Osaki1987_1}}。
 
== 神話 ==
[[古代エジプト]][[プトレマイオス朝]]の王[[プトレマイオス3世]]とその妻で王妃の[[ベレニケ2世]]にまつわる話が知られている{{R|Ridpath}}。プトレマイオス3世は自分の姉妹を殺した[[セレウコス朝]]シリアを紀元前243年ごろ攻めた。ベレニケは、夫が無事に戻ったならば、美しく、かつ美しいゆえに有名であった自分の髪を女神[[アプロディーテー]]に捧げると誓った。夫が無事に帰還すると、王妃は誓い通りに髪を切って女神の神殿に捧げた。すると、翌朝には髪の毛は消えていた。王と王妃は大変に怒り、神官たちは死刑を覚悟した。このとき天文学者[[サモスのコノン|コノン]]は「神は王妃の行いが大変に気に入り、かつ髪が美しいので大変に喜び、空に上げて星座にした」と王と王妃に告げて、しし座の尾の部分を指し示した。コノンのこのとっさの機転によって神官たちの命は救われた{{R|Ridpath}}。
 
この話は、プトレマイオス3世に仕えた[[ヘレニズム期]]の[[宮廷詩人]][[カリマコス]]の詩 ''Lock of Berenice'' で神話化され{{R|Ridpath}}、のちに[[ガイウス・ウァレリウス・カトゥルス]]によって[[ラテン語]]に翻訳紹介された{{R|Kumano2006}}。
 
== 呼称と方言 ==
世界で共通して使用されるラテン語の学名は '''Coma Berenices'''、日本語の学術用語としては「'''かみのけ'''」とそれぞれ正式に定められている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}。現代の中国では、'''后发座'''{{Sfn|伊世同|1981|p=131}}(后髪座{{R|Osaki1987_2}})と呼ばれている。
 
明治初期の[[1874年]](明治7年)に[[文部省]]より出版された[[関藤成緒]]の天文書『星学捷径』で「'''コムベルニセス'''」という読みと「'''「ベレニス」ノ毛髪'''」という解説が紹介された{{R|Sekito1874}}。また、[[1879年]](明治12年)に[[ノーマン・ロッキャー]]の著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』上巻では「'''コマベレニセス'''」と紹介され{{R|Rakushi_1}}、下巻では「'''比列毛宿'''」として解説された{{R|Rakushi_2}}。これらからそれから30年ほど時代を下った明治後期には「'''後髪'''」という呼称が使われていたが、[[1910年]](明治43年)に「'''髪'''」と改められたことが[[日本天文学会]]の会報『天文月報』の第2巻11号掲載の「星座名」と題した記事で報告されている{{R|AH191002}}。
 
1922年5月にIAU総会で可決された88星座の学名と略号は日本でも受け入れられたが、かみのけ座の学名は誤った形で伝わった。IAUの決議を紹介する1922年9月刊行の『天文月報』第15巻9号の「星座名の省記法」と題する記事では、かみのけ座の学名はIAU総会の議事録に記述された表記のまま '''Coma''' として伝えられた{{R|AH192209}}。この学名に関する誤解はこののち長く改められなかった。[[1925年]](大正14年)に[[東京天文台]]の編集により初版が刊行された『[[理科年表]]』では、学名は '''Coma'''、日本語名は「'''髪(かみのけ)'''」とされた{{R|Rika_1925}}。戦中の[[1944年]](昭和19年)に天文学用語が見直しされた際もかみのけ座の学名と日本語名はそのまま据え置かれた{{R|1944jutsugo}}。
 
戦後の[[1952年]](昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|p=316}}とした際、日本語名は「'''かみのけ'''」と表記が定められ{{R|AH195210}}、以降この呼称が継続して使われている。しかしこのときも学名は '''Coma''' のままとされ{{R|AH195210}}、[[1974年]](昭和49年)刊行の『文部省学術用語集 天文学編』でも学名は '''Coma''' のまま据え置かれた{{R|gakujutsu1974}}。この半世紀以上にわたる学名に関する誤解が解かれたのは[[1977年]](昭和52年)のことで、この年11月刊行の[[理科年表]]第51冊でようやく '''Coma Berenices''' と正しい学名が表記された{{R|Rika_1977}}。そして、[[1994年]](平成6年)刊行の『文部省 学術用語集・天文学編』増訂版で正式に '''Come Berenices''' がかみのけ座の学名とされた{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|p=305-306}}。
 
これに対して、[[東亜天文学会|天文同好会]]{{efn2|現在の[[東亜天文学会]]。}}の[[山本一清]]らは異なる訳語を充てていた{{Sfn|原恵|2007|pp=43-44}}。天文同好会の編集により[[1928年]](昭和3年)4月に刊行された『[[天文年鑑]]』第1号では、Coma に対して「'''かみのけ(髪)'''」としていた{{R|nenkan1928}}が、1931年(昭和6年)刊行の第4号からは学名を '''Coma Berenices'''、訳語を「'''ベレニスの髪'''」と変更し{{R|nenkan1931}}、以降の号でもこの表記が継続して用いられた{{R|nenkan1937}}。
 
== 主な天体 ==
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=== 恒星 ===
{{See also|かみのけ座の恒星の一覧}}
以下の恒星には[[2024年]]2月現在[[国際天文学連合]] (IAU) によって正式な1個の恒星に固有名が定めら認証されている{{R|iaucsn}}
* [[かみのけ座アルファ星|&alpha;星]]:[[太陽系]]から約58.1 [[光年]]の距離にある、[[見かけの等級|見かけの明るさ]]4.80 等・[[スペクトル分類|スペクトル型]] F5V のA星{{R|simbad_alphaA}}と見かけの明るさ5.48 等・スペクトル型 F6V のB星{{R|simbad_alphaB}}からなる[[連星|連星系]]{{R|simbad_alpha}}。[[アルゴル型変光星|アルゴル型]]の[[食変光星]]で、約25.85 年の周期で変光する{{R|AAVSO_alpha}}。2017年2月に[[王冠]]や[[ティアラ]]のような装飾品に由来する{{Sfn|原恵|2007|pp=110-113}}「'''ディアデム'''{{R|StellaNavigator11}}(Diadem{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
* [[かみのけ座アルファ星|&alpha;星]]:2つの5等星による連星で、A星にはディアデム(Diadem、王冠)という固有名が付けられている{{R|iaucsn}}。これは、[[ベレニケ2世]]の王冠を表す。&beta;星よりわずかに暗く、2番目の明るさである。
このほか、以下の恒星が知られている。
 
* [[かみのけ座ベータ星|&beta;星]]:太陽系から約30.0 光年の距離にある、見かけの明るさ4.25 等、スペクトル型 F9.5V のF型主系列星で、4等星{{R|simbad_beta}}。かみのけ座で最も明るく見える恒星。[[太陽]]とよく似た恒星だが、太陽と比べて[[有効温度]]で約200[[ケルビン]] (K)、[[金属量]]で約30%それぞれ高い{{R|simbad_beta}}。
その他、以下の恒星が知られている。
* [[かみのけ座ガンマ星|&gamma;星]]:太陽系から約164 光年の距離にある、見かけの明るさ4.34 等、スペクトル型 K1IIIFe0.5 の赤色巨星で、4等星{{R|simbad_gamma}}。かみのけ座で2番目に明るく見える恒星。[[散開星団]][[Mel 111|メロッテ111]]の中にあるように見えるが、メロッテ111より100 光年以上太陽系に近い位置にあり、星団に属した恒星ではないと見られる{{Sfn|Tonkin|2013|p=259}}。
* [[かみのけ座ベータ星|&beta;星]]:かみのけ座で最も明るい恒星。[[絶対等級]]が[[太陽]]とほぼ同じ(太陽よりわずかに明るい)恒星である。この星は[[地球]]から約30[[光年]]の場所にある。よってこの場所から太陽を見ると、地球から見た&beta;星と同じくらいに輝いているはずである。
* FK星:太陽系から約732 光年の距離にある、見かけの明るさ 8.245 等、スペクトル型 G4III の巨星で、8等星{{R|simbad_FK}}。変光星としては[[回転変光星]]の分類の1つ「[[かみのけ座FK型変光星]]」のプロトタイプとされており{{R|GCVS}}、約2.4 日の周期で8.03-8.43 等の範囲で明るさを変える{{R|GCVS_FK}}。この型の変光星は、[[カルシウム|Ca]]{{thinsp}}{{small|II}}{{efn2|1階電離のカルシウム原子、すなわち電子が1個剥ぎ取られたカルシウム原子のこと。}}のK線とH線の幅の広い[[スペクトル#スペクトルの波形の特長による種類|輝線]]を伴うGまたはK型の[[分光スペクトル]]を持っており、明るさが不均一な光球面が高速自転することによって変光すると考えられている{{R|GCVS}}。G型やK型のスペクトルの星にしては不自然な速さで自転をしていることから、おおぐま座W型星のような[[接触連星]]が進化して1つの星となった姿である可能性も否定できないとされる{{R|GCVS}}。
 
=== 星団・星雲・銀河 ===
かみのけ座、その領域内に[[銀河座標|銀河北極]]([[銀緯]]+90&deg;の点)があるなど銀河面から最も離れた位置にあり、天の川銀河内の[[星間物質]]の量が最も少な影響を受けにく方向なのでくさんのめ、遠方にある[[銀河]]を数多くとができる領域である。特[[おとめ座]]西部の「星雲の原{{R|Nojiri1977}}」や「銀河の原{{R|Hayamizu2023}}」と呼ばれる領域に連なるかみのけ座の南西部では、[[おとめ座銀河団]] ({{Lang-en-short|Virgo Cluster, Coma-Virgo Cluster}}) に属する銀河を多数観測するこ呼ばれができる。また、かみのけ座の北東部に広がる[[かみのけ座銀河団]]が存在す ({{Lang-en-short|Coma Cluster, Coma Berenices Cluster}}) は、数あ銀河団の中でも最大級のものとして知られている{{R|Furusho2004}}反面一方で、銀河面から最も離れていた位置にあるため、大きな散開星団[[Mel 111|メロッテ111]]例外として[[除けば、散開星団]]や[[散光星雲]]、[[惑星状星雲]]などの銀河系内天体はほとんど見られない。
* [[Mel 111]] :散開星団。広範囲に星が散らばっているため、肉眼でも確認できる。
* M64([[黒眼銀河]]):[[渦巻銀河]]。暗黒帯が見えるため。この名前がある。
 
[[18世紀]][[フランス]]の天文学者[[シャルル・メシエ]]が編纂した『[[メシエカタログ]]』には、1つの[[球状星団]]と7つの銀河の計8つの天体が挙げられている{{R|SEDS_Messier}}。また、{{仮リンク|パトリック・ムーア (天文学者)|label=パトリック・ムーア|en|Patrick Moore}}がアマチュア天文家の観測対象に相応しい星団・星雲・銀河を選んだ「[[カルドウェルカタログ|コールドウェルカタログ]]」に選ばれた銀河が3つ位置している{{R|SEDS_Caldwell}}。
=== その他 ===
* [[M53 (天体)|M53]]:太陽系から約48,700 光年の距離にある[[球状星団]]{{R|simbad_M53|Vasiliev2021}}。[[1775年]][[2月3日]]に[[ドイツ]]の天文学者[[ヨハン・ボーデ]]が発見、約2年後の[[1777年]][[2月26日]]にメシエが独立に発見した{{R|SEDS_M53}}。天の川銀河に属する球状星団の中では特に[[金属量]]{{efn2|[[水素]]と[[ヘリウム]]以外の[[元素]]の存在比のこと。}}が低い部類に入る{{R|SEDS_M53}}。
* [[かみのけ座超銀河団]]:初めて発見された[[宇宙の大規模構造]]。
* [[黒眼銀河|M64]]:天の川銀河から約1440万 光年の距離にある[[渦巻銀河]]{{R|simbad_M64}}。[[1779年]][[3月23日]]にイギリスの天文家[[エドワード・ピゴット]]が発見、その12日後の[[4月4日]]にボーデが、さらに[[1780年]][[3月1日]]にメシエが独立に発見した{{R|SEDS_M64}}。しかし、ピゴットの発見は報告が遅れたことから忘れられ、[[2002年]]まではボーデが第1発見者であるとされていた{{R|SEDS_M64}}。[[1787年]]にイギリスの天文学者[[ウィリアム・ハーシェル]]が銀河を横切る暗黒帯を「[[黒目]] (black eye) 」に喩えた{{R|SEDS_M64-2}}ことから、「'''[[黒眼銀河]]''' ({{Lang-en-short|Black Eye Galaxy}}{{R|simbad_M64}}{{Sfn|Tonkin|2013|p=262}})」や Evil Eye Galaxy{{R|simbad_M64}} などの通称が知られている。
* [[M85 (天体)|M85]]:天の川銀河から約5200万 光年の距離にある[[レンズ状銀河]]{{R|simbad_M85}}。[[1781年]][[3月4日]]にフランスの天文学者[[ピエール・メシャン]]が発見した{{R|SEDS_M85}}。[[おとめ座銀河団]]の北端に位置している{{R|SEDS_M85}}。近くに見える棒渦巻銀河NGC 4394 と楕円銀河MCG 3-32-38 と重力で相互作用している{{R|spacetelescope20190204}}。
* [[M88 (天体)|M88]]:天の川銀河から約5450万 光年の距離にある渦巻銀河{{R|simbad_M88}}。1781年[[3月18日]]にメシエが発見した{{R|SEDS_M88}}。おとめ座銀河団の銀河の中で明るく見えるものの1つ{{R|SEDS_M88}}。約4000億個の恒星で構成され、銀河核には1億[[太陽質量]]の[[超大質量ブラックホール]]が存在すると考えられている{{R|NASA_Science20180316}}。
* [[M91 (天体)|M91]]:天の川銀河から約4900万 光年の距離にある[[棒渦巻銀河]]{{R|simbad_M91}}。1781年3月18日にメシエが発見した{{R|SEDS_M91}}。[[メシエ天体]]の中でも最も暗く見える天体とされる{{R|SEDS_M91}}。発見したメシエが間違った座標を記録してしまったため長く行方不明のメシエ天体となっていたが、[[1969年]]にアメリカのアマチュア天文家 William C. Williams によって NGC 4548 が失われたM91であることが突き止められた{{R|SEDS_M91}}。[[ハッブル宇宙望遠鏡]]のアーカイブデータによる2009年の研究では、銀河核に960万 - 3800万太陽質量の大質量ブラックホールが存在するとされた{{R|spacetelescope20220411}}。
* [[M98 (天体)|M98]]:天の川銀河から約5450万 光年の距離にある、[[低電離中心核輝線領域|ライナー型]]の[[活動銀河核]]を持つ[[中間渦巻銀河]]{{R|simbad_M98}}。1781年[[3月15日]]にメシャンが発見した{{R|SEDS_M98}}。おとめ座銀河団に属しており、メシエ天体の中でも見つけることが難しいものの1つとされる{{R|SEDS_M98}}。約1兆個の恒星が存在すると考えられている{{R|ESO20160905}}。
* [[M99 (天体)|M99]]:天の川銀河から約5450万 光年の距離にある渦巻銀河{{R|simbad_M99}}。1781年3月15日にメシャンが発見した{{R|SEDS_M99}}。おとめ座銀河団に属する。[[渦状腕]]がはっきりと見える「グランドデザイン渦巻銀河 ({{Lang-en-short|grand design spiral galaxy}})」の1つとされ{{R|sorae20220509}}、地球から見た姿が[[りょうけん座]]の[[渦巻銀河]][[子持ち銀河|M51]] ({{Lang-en-short|Pinwheel Galaxy}}) に似て見えることから Coma Pinwheel や Virgo Cluster Pinwheel などの通称でも知られる{{R|simbad_M99}}。
* [[M100 (天体)|M100]]:天の川銀河から約4660万 光年の距離にある中間渦巻銀河{{R|simbad_M100}}。1781年3月15日にメシャンが発見した{{R|SEDS_M100}}。グランドデザイン渦巻銀河として知られ{{R|APOD20230408}}、おとめ座銀河団に属する銀河の中でも最も明るく見えるものの1つである{{R|SEDS_M100|APOD20230408}}。[[2019年]][[4月29日]]には[[Ib・Ic型超新星|Ib型超新星]]SN 2019ehk が発見された{{R|NOIRLab20200805|TNS20190429}}。
* [[NGC 4889]]:天の川銀河から約3億1700万 光年の距離にある{{R|NED_NGC4889}}[[楕円銀河]]{{R|simbad_NGC4889}}。コールドウェルカタログの35番に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。西隣りに見える楕円銀河[[NGC 4874]]とともに[[かみのけ座銀河団]]で最も明るい銀河とされる{{R|simbad_NGC4889}}。
* [[NGC 4559]]:天の川銀河から約2400万 光年の距離にある渦巻銀河{{R|simbad_NGC4559}}。コールドウェルカタログの36番に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。
* [[NGC 4565]]:天の川銀河から約4370万 光年の距離にある、ライナー型の活動銀河核を持つ中間渦巻銀河{{R|simbad_NGC4565}}。コールドウェルカタログの38番に選ばれている{{R|SEDS_Caldwell}}。[[1785年]]にウィリアム・ハーシェルが発見した{{R|SEDS_NGC4565}}。地球からは銀河面を真横から見る形となる「エッジオン銀河」と呼ばれる銀河で、その針のような外見から Needle Galaxy や Berenice's Hair Clip などの通称でも知られる{{Sfn|Tonkin|2013|p=261}}。
* [[かみのけ座銀河団|ACO 1656]]:天の川銀河から約3億6000万 光年の距離にある[[銀河団]]{{R|simbad_ACO1656}}で、「'''かみのけ座銀河団'''{{R|Subaru2015}} ({{Lang-en-short|Coma Cluster}})」の名称で知られる。ACO は、{{仮リンク|ジョージ・エイベル|en|George O. Abell}}らが編纂した銀河団のカタログ「[[エイベル・カタログ]]」の略号で、編纂に携わった Abell・Corwin・Olowin の3人の名前に由来している{{R|simbad_ACO}}。2015年には、[[国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡|すばる望遠鏡]]のアーカイブデータの解析によって、かみのけ座銀河団の中に854個もの「超暗黒銀河」の存在が発見された{{R|Subaru2015}}。超暗黒銀河は、天の川銀河と同程度の大きさがありながらその明るさは1000分の1という非常に暗い銀河で、光では感知できない[[暗黒物質]]の重力で形成されていると考えられている{{R|Subaru2015}}。
* [[かみのけ座超銀河団]]:天の川銀河から約3億 光年の距離に広がる[[超銀河団]]{{R|GSFC}}。この超銀河団の存在は[[1976年]]頃から示唆されており、[[1978年]]にしし座銀河団 (ACO 1367) とかみのけ座銀河団を主要なメンバーとする超銀河団であることが判明した{{R|Gregory1978}}。
* [[Mel 111|メロッテ111]] :太陽系から約290 光年の距離にある[[散開星団]]{{R|simbad_Mel111}}で、「'''かみのけ座星団'''{{R|BurnhamSaida1988}} ({{Lang-en-short|Coma Berenices Cluster, Coma Ber Cluster}}{{R|simbad_Mel111}})」の通称でも知られる。直径約7.5&deg;{{R|van_Leeuwen2009}}と広範囲に星が散らばっており、肉眼でも双眼鏡でも見ることができる{{Sfn|Tonkin|2013|p=259}}{{R|Hayamizu2023}}。
 
=== 由来と歴史ギャラリー ===
{{Gallery
[[ファイル:Virgo et Coma Berenices - Mercator.jpeg|サムネイル|メルカトル天球儀1551に描かれたかみのけ座(画像上方)]]
| width=360
ギリシャ時代から、[[しし座]]と[[うしかい座]]の間にぼんやりとした星の集まりがあることは知られていたが、[[トレミーの48星座]]には含まれなかったため、[[16世紀]]に入るまで1つの星座として認められていなかった{{R|Ridpath}}。
| height=300
| lines=5
| align=center
| Melotte-111.jpg | およそ10.0 等までの星を撮った[[散開星団]][[Mel 111|メロッテ111]]の画像。画像左上の輝星 (&gamma;) はこの星団には属しておらず、星団と太陽系の中間くらいの位置にある。
| Messier53 - SDSS DR14 (panorama).jpg | [[スローン・デジタル・スカイサーベイ]] (SDSS) で撮影された[[球状星団]][[M53 (天体)|M53]]。SDSSは、全天の約1/4を可視光で撮像・分光する掃天観測プロジェクトで、観測には[[ニューメキシコ州]]アパッチポイント天文台にある口径2.5 m広視野望遠鏡が用いられた{{R|astro-dic}}。
| Blackeyegalaxy.jpg | [[ハッブル宇宙望遠鏡]] (HST) が撮像した[[渦巻銀河]]M64[[黒眼銀河]]。HSTの[[広視野惑星カメラ2]] (WFPC2) を用いて2001年4月から7月に計11時間の露光時間をかけて撮像された。
| Messier85 - HST - Potw1905a.jpg | [[レンズ状銀河]][[M85 (天体)|M85]]。HSTの[[広視野カメラ3]] (WFC3) で得られた[[赤外線]]・[[可視光]]・[[紫外線]]の4波長のデータから合成された{{R|spacetelescope20190204}}。
| Messier 88 galaxy.jpg | [[アリゾナ州]][[レモン山天文台]]の口径0.6mの望遠鏡で撮像された渦巻銀河[[M88 (天体)|M88]]。
| Spiral Snapshot (potw2215a).jpg | [[棒渦巻銀河]][[M91 (天体)|M91]]。HSTのWFC3で得られた赤外線・可視光・紫外線の5波長のデータから合成された。
| Messier 98.jpg | [[中間渦巻銀河]][[M98 (天体)|M98]]。[[チリ共和国]][[アタカマ砂漠]]にある[[ヨーロッパ南天天文台]] (ESO) の[[ラ・シヤ天文台]]の口径3.6m[[新技術望遠鏡]] (New Technology Telescope, NTT) による撮像。
| Hubble Sees Double in M99 (potw2218a).jpg | 渦巻銀河[[M99 (天体)|M99]]。HSTのWFC3で得られた赤外線・可視光・紫外線の5波長のデータから合成された。
| Hubble Space Telescope image of SN 2019ehk (noirlab2019d).jpg | 渦巻銀河[[M100 (天体)|M100]]。画像中心には[[Ib・Ic型超新星|Ib型超新星]]SN 2019ehkが捉えられている。HSTのWFC3で得られた赤外線・可視光・紫外線の7波長のデータから合成された。
| The sleeping giant NGC 4889 (24415737923).jpg | HSTの掃天観測用高性能カメラ (Advanced Camera for Surveys, ACS) で撮像された[[楕円銀河]]NGC 4889。
| Caldwell 36 (50192636086).jpg | HSTのWFPC2で撮像された渦巻銀河NGC 4559。
| NGC 4565.jpg | チリにあるESOの[[パラナル天文台]]の[[超大型望遠鏡VLT]]で撮像された渦巻銀河[[NGC 4565]]。
| Coma Cluster of Galaxies (visible, wide field).jpg | 「[[かみのけ座銀河団]]」の名称で知られる銀河団ACO 1656。中央左に明るく見える銀河は楕円銀河NGC 4889。[[アリゾナ大学]]レモン山スカイセンターの32インチ シュルマン望遠鏡による撮像。
}}
== 流星群 ==
かみのけ座の名前を冠した[[流星群]]で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、かみのけ座流星群 (Comae Berenicids, COM) のみである{{R|NAOJ_meteor}}。かみのけ座流星群は、[[12月16日]]頃に極大日を迎える流星群で{{R|NAOJ_meteor}}、1950年代から活動の記録はあるが[[母天体]]は特定されていない{{R|amro}}。
 
== 脚注 ==
かみのけ座を1つの星座として独立させたのは、[[1536年]]にドイツの地図製作者[[カスパル・フォペル]]が ''Berenices Crinis'' として自作の[[天球儀]]に描いたのが最初である{{R|Ridpath}}。その後1551年に[[ゲラルドゥス・メルカトル|メルカトル]]がこれを採用し、1602年に[[ティコ・ブラーエ]]が星図で用いてから広く一般に認知されるようになった{{R|Ridpath}}。
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 神話注釈 ===
{{Notelist2}}
[[古代エジプト]]、[[プトレマイオス朝]]の王[[プトレマイオス3世]]と、その妻で王妃の[[ベレニケ2世]]にまつわる話が知られている{{R|Ridpath}}。
 
=== 出典 ===
プトレマイオス3世は自分の姉妹を殺した[[セレウコス朝]]シリアを紀元前243年ごろ攻めた。ベレニケは、夫が無事に戻ったならば、美しく、かつ美しいゆえに有名であった自分の髪を女神[[アプロディーテー]]に捧げると誓った。夫が戻ると、王妃は髪を切り、女神の神殿に供えたところ、翌朝までに髪の毛は消えていた。王と王妃は大変に怒り、神官たちは死刑を覚悟した。このとき、宮廷天文学者[[サモスのコノン|コノン]]は、神は王妃の行いが大変に気に入り、かつ髪が美しいので大変に喜び、空に上げて星座にした、と王と王妃に告げ、しし座の尾の部分を指し示した。コノンのこのとっさの知恵により、神官たちの命は救われた{{R|Ridpath}}。
{{Reflist|25em|refs=
 
<ref name="IAU_constellations">{{Cite web
この話は、プトレマイオス3世に仕えた[[ヘレニズム期]]の[[宮廷詩人]][[カリマコス]]の詩 ''Lock of Berenice'' で神話化され{{R|Ridpath}}、のちに[[ガイウス・ウァレリウス・カトゥルス]]によって[[ラテン語]]に翻訳紹介された{{R|Kumano2006}}。
| title=The Constellations
| publisher=[[国際天文学連合]]
| url=https://www.iau.org/public/constellations/#com
| access-date=2024-02-23}}</ref>
 
== 出典 ==
{{Reflist|refs=
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| author=Ian Ridpath
| title=Star Tales - Coma Berenices
| website=Star Tales
| url=http://www.ianridpath.com/startales/comaberenices.htm
| url=http://www.ianridpath.com/startales/comaberenices.html
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<ref name="iaucsnboundary">{{citeCite web
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| title=IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)
| url=https://www.iau.org/static/public/constellations/txt/com.txt
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| author=熊野鉄兵山田陽志郎
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| title=流星群の和名一覧(極大の日付順)
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| author=ジェー、ノルマン、ロックヤー | authorlink=ノーマン・ロッキャー
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| publisher=[[文部省]] | date=1879-03
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<ref name="AH191002">{{Cite journal | 和書
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| editor=[[文部省]]
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{{Commons&cat|Coma Berenices|Coma Berenices (constellation)}}