春の歌』(はるのうた、スウェーデン語: Vårsång作品16は、ジャン・シベリウス1894年に作曲した交響詩

概要 編集

本作は元来、ニ長調の『管弦楽のための即興曲』として作曲されたものだった。シベリウスは1895年にこれをヘ長調へ移調してタイトルを付けなおし、「春の悲しみ」という副題を付すもののこの版は未出版のままとなる。その後、1902年の出版前の改訂で最終版としている[1]

楽曲はシベリウス作品には珍しい楽観性を有している。曲の終わりにベル(グロッケン)が目立った使われ方をすることが知られている[2]

楽器編成 編集

フルート2(ピッコロ持ち替え2)、オーボエ2、クラリネット2(B♭)、ファゴット2、ホルン4(F)、トランペット3(F)、トロンボーン3、テューバティンパニグロッケン(D♭ E♭ G♭)、弦五部[3]

楽曲構成 編集

Tempo moderato e sostenuto 3/4拍子 ヘ長調

弦楽器のピッツィカートに開始し、クラリネットが主題を奏でる(譜例)。

譜例

 

大きく盛り上がる中間部分を超えて主題が弦楽器で再現され、最後にベルの音が響くと肯定的な気分のうちに幕を下ろす。

脚注 編集

  1. ^ Erik Tawaststjerna (19 April 2012). Sibelius Volume I: 1865-1905. Faber & Faber. pp. 142. ISBN 978-0-571-28717-8. https://books.google.com/books?id=S4NW-E5MPk4C&pg=PT142 
  2. ^ Barnett, Andrew (2007). Sibelius. Yale University Press. p. 89. ISBN 9780300111590 
  3. ^ Score, Sibelius: Vårsång (Frühlingslied), Breitkopf und Härtel, Leipzig, 1903

参考文献 編集

外部リンク 編集