四ヨウ化ケイ素
硅素のヨウ化物
四ヨウ化ケイ素(しヨウかケイそ、英: silicon tetraiodide)はケイ素のヨウ化物で、化学式SiI4で表される無機化合物。有機ケイ素化合物の合成原料として使用される。分子間は2.432Åで結合している[1]。
四ヨウ化ケイ素 Silicon tetraiodide | |
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別称 ヨウ化ケイ素(IV) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 13465-84-4 |
PubChem | 83498 |
特性 | |
化学式 | SiI4 |
モル質量 | 535.7034 g/mol |
外観 | 白色の粉末 |
密度 | 4.198 g/cm3 |
融点 |
120.5 °C, 394 K, 249 °F |
沸点 |
287.4 °C, 561 K, 549 °F |
水への溶解度 | 不溶 |
有機溶剤への溶解度 | 可溶 |
構造 | |
分子の形 | 立方晶系 |
危険性 | |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R61-R24/25-R34-R42/43 |
Sフレーズ | S53-S26-S36/37/39-S45 |
引火点 | -18 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
反応 編集
加熱や、室温での長時間の保管でも安定しているが、水と反応して無水ケイ酸とヨウ化水素に分解するため、四塩化ケイ素と同様に乾燥を要する。アルコールとの反応で無水ケイ酸とヨウ化エチルおよびヨウ化水素を生じ、エーテルとの反応ではケイ酸エチルとヨウ化エチルが生じる[2]。工業的には炭化ケイ素とヨウ素を200℃まで加熱して製造する。シランとヨウ素を130~150℃まで加熱し、ヨウ化シラン(SiH3I)、二ヨウ化シラン(SiH2I2)、三ヨウ化シラン(SiHI3)などを経て生成することもできると考えられている。これらの化合物は、室温では無色の液体である[3]。
脚注 編集
- ^ Kolonits, M.; Hargittai, M. "Molecular Structure of Silicon Tetraiodide" Structural Chemistry 1998, volume 9, pages 349-352. doi:10.1023/A:1022462926682
- ^ 松岡敬一郎『ヨウ素綜説(第二版)』霞ヶ関出版、1992年。ISBN 9784760301355。
- ^ Chemistry of the Elements, Greenwood&Earnshaw, ButterworthHeinemann, 1997
外部リンク 編集
- webelements page(英文)