前田 達明(まえだ たつあき、1940年 - )は、日本の法学者学位は、法学博士[1]京都大学名誉教授。

専門は民法で不法行為法と家族法に関する業績が多い。

研究

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専門の1つである不法行為法においては、帰責事由の研究を行ない、故意責任は意思責任であり、過失責任は信頼責任であるという学説を提唱した。不法行為法では主観的意思責任と客観的過失責任論を帰責事由で発展させ、同様の論理を債権総論でも展開した[2]

人物・経歴

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京都市生まれ、京都市育ち。1964年の司法修習と1970年のドイツ留学の2回を除き、京都で過ごした[3]。旧姓は「乾」であり、不法行為に関する先行的研究の1つである「不法行為法についての一考察㈠」法学論叢81巻4号(1967年)などは乾達明名義で書かれている[4]。弟子に、松岡久和窪田充見佐久間毅など。

略歴

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  • 1963年 司法試験合格
  • 1964年 京都大学法学部卒業、司法修習生(司法修習第18期1組)
  • 1978年 京都大学教授
  • 2004年 京都大学名誉教授、同志社大学大学院司法研究科教授

業績

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  • 『不法行為帰責論』(創文社、1978年)
  • 『判例不法行為法』(青林書院新社、1978年)
  • 『民法Ⅳ-2』(青林書院新社、1980年)
  • 『不法行為法理論の展開』(成文堂、1984年)
  • 『愛と家庭と』(成文堂、1985年)
  • 『口述債権総論』(成文堂、第3版、1993年)
  • 『史料民法典』(編著。成文堂、2004年)
  • 『史料債権総則』(監修。成文堂、2010年)

脚注

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  1. ^ Kyoto University Research Information Repository: 不法行為帰責論”. 京都大学. 2024年4月16日閲覧。
  2. ^ 京都大学百年史編集委員会. “【部局史編 1】第4章: 大学院法学研究科・法学部”. 京都大学. 2024年4月16日閲覧。
  3. ^ 『風紋の日々』成文堂、2010年、2頁。ISBN 978-4-7923-7090-9 
  4. ^ 不法行為法についての一考察--違法性と過失をめぐって-5完-”. 国立国会図書館. 2024年4月16日閲覧。