下関発電所(しものせきはつでんしょ)は、山口県下関市長府港町9-1にあった中国電力石炭石油火力発電所

下関発電所
しものせきはつでんしょ
種類 火力発電所
電気事業者 中国電力
所在地 日本の旗 日本
山口県下関市長府港町9番1号
北緯34度00分6.86秒 東経131度00分3.55秒 / 北緯34.0019056度 東経131.0009861度 / 34.0019056; 131.0009861座標: 北緯34度00分6.86秒 東経131度00分3.55秒 / 北緯34.0019056度 東経131.0009861度 / 34.0019056; 131.0009861
1号機
発電方式 汽力発電
出力 17.5万 kW
燃料 石炭
営業運転開始日 1967年3月
2号機
発電方式 汽力発電
出力 40万 kW
燃料 重油
営業運転開始日 1977年9月
公式サイト:下関発電所
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老朽化により2022年4月にすべての発電設備が稼働停止になった。2024年1月に廃止された[1]

概要 編集

1967年3月に1号機が運転を開始、2号機までが建設された。

1号機の燃料は当初石炭石油混焼であったが、1979年に石炭混焼率を20%から50%に引上げ、1980年には石炭専焼となった。また、2004年から2006年にかけて1号機では木質バイオマスの混焼試験が行われた。

発電設備 編集

  • 総出力:57.5万kW[2]
  • 敷地面積:約342,667m2
1号機
定格出力:17.5万kW
使用燃料:石炭
営業運転開始:1967年(昭和42年)3月
2号機
定格出力:40万kW
使用燃料:重油
営業運転開始:1977年(昭和52年)9月

取水温度問題 編集

  • 2003年4月から2006年11月にかけて、温度監視装置の海水取水温度表示を0.9℃高く設定していたことが発覚した[3]。中国電力は山口県及び下関市と締結した公害防止協定に基づき、取放水温度差を7度以下とすることとなっていたが、山口県の調査により、この期間に協定値を超過していたケースが43件中24件あったことが明らかになった。中国電力は冷却用循環ポンプの羽根車交換後に協定値を超過するケースが増加したために故意に行ったものとして県と市に謝罪、法令遵守体制の確立などの再発防止策を表明した。中国電力では同時期に水力発電所でも堆砂量の改ざんなどがあり[4]、批判にさらされている。

発電所の廃止 編集

設備の経年劣化が進んでおり、1号機・2号機ともに2022年4月から稼働停止となった[1]。2024年1月に廃止された[1]

2024年4月、中国電力は旧・下関発電所の土地(約32.6万平米)・設備を丸一鋼管に37億6千万円で売却することを決定した[5]。設備は中国電力側で安全対策工事をした上で、丸一鋼管に引き渡す[5]。引渡し後、丸一鋼管が不要と判断する設備は丸一側で除却するが、その費用は中国電力が負担する[5]。中国電力は約70億円の譲渡損失を計上する見込みである[5]。丸一鋼管は発電所跡地にステンレス鋼管の新工場を建設する[6]

出典 編集

  1. ^ a b c 中電が下関、下松発電所廃止へ”. 山口新聞. 2022年5月24日閲覧。
  2. ^ 中国電力 下関発電所
  3. ^ 下関発電所取水温度問題に関する調査状況について 2006年11月27日
  4. ^ 水力発電設備におけるデータ改ざん等に関する調査結果について 2007年1月24日
  5. ^ a b c d “中国電力旧下関発電所を売却: 丸一鋼管に37億円超で”. 電気新聞 (29994): p. 2. (2024年4月25日) 
  6. ^ 丸一鋼管株式会社 (2024年5月24日). “固定資産の取得(新工場の建設)に関するお知らせ”. 丸一鋼管株式会社. 2024年6月1日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集