ワールドチームカップ (車いすテニス)

車いすテニス

BNPパリバ・ワールドチームカップ(英語: World Team Cup)は、1985年から始まった車いすテニスの国別対抗団体戦。シングルスを2試合、ダブルスを1試合行う。

概要 編集

アメリカカリフォルニア州アーバインで行われていた全米オープンに外国人選手の参加が増えたことにより、大会前のウォームアップイベントとして設けられたのがはじまりである。

参加国が増え、全米オープンの余興として開催可能な規模を超えるようになると、1992年、創設以来初めて会場がアーバインを離れ、独立した大会となった。以降、欧州各地を中心にオセアニア、南アメリカでも開催されている。

創設当初に正式出場したのは男子のみ、アメリカ、フランス、イスラエル、オーストラリア、カナダ、日本の6か国であったが[注釈 1]、女子は1986年、クァードは1998年、ジュニアは2000年より、それぞれ独立した部門で競技が行われている。2004年から男子は出場国を2グループ(ワールドグループ。以下、WGと略)に分け、上位グループ(WG1)と下位グループ(WG2)ごとに勝者を決めている。2014年の大会には男子24か国、女子12か国、クァードおよびジュニアにそれぞれ8か国ずつが出場した。

1996年から車いすメーカーのインバケアがタイトルスポンサーとなり、大会名も同社のブランド名を冠してアクションワールドチームカップ(Action World Team Cup)と呼ばれるようになった。1999年からはインバケアワールドチームカップの呼称に改められている。

歴代優勝国 編集

開催年 開催地 男子 女子 クァード ジュニア
1985年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国
1986年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国   オランダ
1987年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国   オランダ
1988年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国   オランダ
1989年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国   オランダ
1990年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国   オランダ
1991年 アメリカ
アーバイン
  アメリカ合衆国   オランダ
1992年 ベルギー
ブリュッセル
  フランス   オランダ
1993年 オーストリア
フィラッハ
  フランス   オランダ
1994年 イギリス
ノッティンガム
  オーストラリア   アメリカ合衆国
1995年 オランダ
ルールモント
  アメリカ合衆国   オランダ
1996年 オーストラリア
メルボルン
  オーストラリア   オランダ
1997年 イギリス
ノッティンガム
  アメリカ合衆国   オランダ
1998年 スペイン
バルセロナ
  ドイツ   オランダ   アメリカ合衆国
1999年 アメリカ
ニューヨーク
  オランダ   オーストラリア   イスラエル
2000年 フランス
パリ
  オーストラリア   オランダ   イスラエル   アメリカ合衆国
2001年 スイス
シオン
  オランダ   オランダ   イギリス   オランダ
2002年 イタリア
トレモージネ
  オーストラリア   オランダ   イギリス   オランダ
2003年 ポーランド
ソポト
  日本   オランダ   アメリカ合衆国   スウェーデン
2004年 ニュージーランド
クライストチャーチ
  オランダ (WG1)   オランダ   イスラエル   オランダ
2005年 オランダ
フローニンゲン
  オランダ (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   ベルギー
2006年 ブラジル
ブラジリア
  オランダ (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   ベルギー
2007年 スウェーデン
ストックホルム
  日本 (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   イギリス
2008年 イタリア
クレモナ
  スウェーデン (WG1)   オランダ   オランダ   オランダ
2009年 イギリス
ノッティンガム
  フランス (WG1)   オランダ   イギリス   オランダ
2010年 トルコ
アンタリヤ
  スウェーデン (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   オランダ
2011年 南アフリカ
プレトリア
  オランダ (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   スペイン
2012年 韓国
ソウル
  フランス (WG1)   オランダ   アイスランド   オランダ
2013年 トルコ
アンタリア
  フランス (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   イギリス
2014年 オランダ
アルフェン
  フランス (WG1)   オランダ   イギリス   ロシア
2015年 トルコ
アンタリア
  イギリス (WG1)   オランダ   アメリカ合衆国   アメリカ合衆国
2016年 日本
東京有明テニスの森公園
  フランス (WG1)   オランダ   オーストラリア   アメリカ合衆国
2017年 トルコ
アンタリア
  フランス (WG1)   オランダ   イギリス   アメリカ合衆国
2018年 オランダ
アペルドールン
  日本 (WG1)   オランダ   オーストラリア   ロシア
2019年 イスラエル
テルアビブ
  イギリス (WG1)   オランダ   日本   オーストラリア
2021年 イタリア
サルディーニャ[注釈 2]
  オランダ (WG1)   オランダ   オランダ   日本
2022年 ポルトガル
ヴィラモウラ英語: Vilamoura
  オランダ (WG1)   日本   オランダ   オーストラリア

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 女子は十分な参加人数がそろわなかったため、アメリカチームに対し、オランダおよびフランスの混成チームが対戦して競技が行われた。cf. Sarah Bunting, More Than Tennis: The first 25 years of wheelchair tennis, International Tennis Federation, 2001, pp. 13, 72. ISBN 907657412X
  2. ^ 2020年はポルトガル・ヴィラモウラにて開催予定であったがCOVID-19の影響により2021年に延期となり、最終的に開催地がイタリアに変更された。[1][2][3][4]

出典 編集

  1. ^ 2020 BNP Paribas World Team Cup ポルトガル大会 代表選手選考について”. jwta.jp. 2022年5月8日閲覧。
  2. ^ CELEBRATING THE WORLD TEAM CUP”. www.itftennis.com. 2022年5月8日閲覧。
  3. ^ 2021 BNP Paribas World Team Cup ポルトガル大会 代表選手選考について”. jwta.jp. 2022年5月8日閲覧。
  4. ^ 2021 BNP Paribas World Team Cup イタリア大会 代表選手選考について”. jwta.jp. 2022年5月8日閲覧。

参考文献 編集

外部リンク 編集