モンパルナス駅

フランスの鉄道駅

モンパルナス駅(モンパルナスえき、Gare Montparnasse)は、フランスの首都パリにあるフランス国鉄(SNCF)の主要ターミナル駅の一つである。

モンパルナス駅
メインエントランス
Gare de Paris-Montparnasse
所在地 フランスの旗 パリ 14区15区
北緯48度50分27.05秒 東経2度19分12.47秒 / 北緯48.8408472度 東経2.3201306度 / 48.8408472; 2.3201306 (モンパルナス駅)
管理者 フランス国鉄 (SNCF)
開業年月日 1840年9月10日
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巨大な橋上駅舎
屋上庭園
コンコース
乗り場の様子

所在地

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パリ市の南よりのモンパルナス地区にある。行政区では14区15区にまたがっている。なお、かつてメトロにもモンパルナス駅(station Montparnasse)が存在したが、1942年にメトロのビヤンヴニュ駅と統合されモンパルナス=ビヤンヴニュ駅となった。

利用可能な路線、列車

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主にフランス西部、南西部方面行の列車の始発駅である。なお、パリから西方向へ向かう路線はサン・ラザール駅始発のものもあり、ヴェルサイユなどへは双方から路線がある。この場合モンパルナス発のものを左岸(Rive Gauche)線、サン・ラザール発のものを右岸(Rive Droite)線と呼ぶ。

メトロモンパルナス=ビヤンヴニュ駅と接続しており、乗り換えが可能である。パリの主要ターミナル駅では唯一RERとの接続がない。

駅構造

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南北方向に28線(東から1〜24番線および25〜28番線)の線路がある。ホームはすべて北側が行き止まりの頭端式ホームである。駅全体が北向きの傾斜地にあるため、北側では高架駅だが南側では掘割状の構造になり、パスツール大通りの跨線橋が駅の上を通っている。25〜28番線は他のホームから離れてパスツール大通りの南側にある。

モンパルナス駅には3つの駅舎がある。

ポルト・オセアン(Porte Océane)
モンパルナス1(Montparnasse 1)とも呼ばれる。1〜24番線ホームの北側(頭端側)にある。最も主要な駅舎であり、地上部にラウル・ドートリー広場とメーヌ大通りへの出入り口、地下1階にメトロへの連絡通路、2階(日本式表記では3階)部分にホームがある。ホーム頭端部のコンコースをオール・メーヌ(Hall Maine)と呼ぶ。
パスツール駅(Gare Pasteur)
モンパルナス2(Montparnasse 2)とも呼ばれる。パスツール大通りの北側、1〜24番ホームの南よりの上に位置する橋上駅舎であるが、コンコースはパスツール大通りの1つ下の層にある。このコンコースをオール・パスツール(Hall Pasteur)と呼ぶ。駐車場タクシー乗り場と直結している。
ヴォージラール駅(Gare Vaugirard)
モンパルナス3(Montparnasse 3)とも呼ばれる。パスツール大通りの南側、25〜28番ホームの頭端側に位置する。他の駅舎、ホームとは24番ホーム上の動く歩道で結ばれている。

これら3つ、特にヴォージラール駅と25〜28番ホームは地図や時刻表などで別の駅として扱われることがある。

ホームは原則として以下のように使い分けられている。

  • 1〜9番線 : TGV
  • 10〜17番線 : Transillien
  • 18〜24番線 : TERサントル用とされているが、TGVも多く利用する。
  • 25〜28番線 : CorailおよびTERバス・ノルマンディー

Transillien用ホームの入口には自動改札機が設置されている。

パスツール大通りより北側のホーム上は人工地盤で覆われており、その上にアトランティック(大西洋)庭園と呼ばれる庭園がある。

歴史

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モンパルナス駅の起源は1840年に開業したパリ-ヴェルサイユ左岸線の起点駅である。開業時には「メーヌ城門桟橋(Embarcadère de la barrière du Maine)」と呼ばれていた。当時まだ存在していたフェルミー・ジェネロの城壁の外側の、現モンパルナス駅とほぼ同じ位置にあった。

1849年シャルトルまでの路線が開業すると駅は手狭になった。また現在のパリ市境にあたるティエールの城壁1844年に完成しており、フェルミー・ジェネロの城壁は不要となっていた。そこでより市街地に近いモンパルナス大通りに接する位置に駅を移転することになり、ヴィクトール・ルノワールの設計による新駅が1852年に開業した。

1855年にはフランス西部の鉄道会社数社が合併し西部鉄道が発足した。モンパルナス駅は西部鉄道のパリに2つあるターミナルのうち、セーヌ川の左岸側に位置していたことから「西駅-左岸(Gare de l'Ouest - Rive gauche)」の別名でも呼ばれた。なお「右岸」駅はサン・ラザール駅である。

 
1895年の事故

1895年10月22日にモンパルナス駅で起きた鉄道事故(詳細は「モンパルナス駅脱線事故」を参照)は、死亡者こそ1名に留まったものの、鉄道史に刻まれる衝撃を残した。

グランヴィル発モンパルナス行の列車(蒸気機関車+荷物車3両、郵便車1両、客車8両)が、自動空気ブレーキの動作不良のため減速できずに駅に進入した。機関車は車止めを乗り越え駅舎を突き破り、先端が約9m下のレンヌ広場の馬車鉄道停留所に落下した。駅前で新聞を売っていた女性に駅舎の破片が当たり死亡した。また乗客と機関士火夫を含む数名が負傷した。事故の際に連結器が外れたため、客車はすべて駅内部にとどまっていた。事故現場を撮影した写真が2枚残っており、衝撃的な画像としてしばしば使用される。ロックバンド・MR. BIGは1991年に発表したアルバム『リーン・イントゥ・イット』のジャケットに機関車を右側から捉えた写真(右の画像の左側のもの)を使用した。

1900年には線路4本とホームが増設されたが、第一次世界大戦後にはそれでもホーム不足が深刻になってきた。そこで1929年に、当時の駅よりも南のメーヌ広場(現ビヤンヴニュ広場)とヴォージラール大通りの南側に到着列車用のメーヌ駅(Gare du Maine)が作られた。この位置はほぼ現在のモンパルナス駅の位置である。1934年にはメーヌ駅に出発用のホームも設けられ、長距離列車はメーヌ駅、近郊列車はモンパルナス駅と使い分けられるようになった。

1944年パリの解放では、モンパルナス駅が重要な舞台となった。8月25日、南側からパリに入城した自由フランス軍第2機甲師団のフィリップ・ルクレールはモンパルナス駅に司令部を置き、ドイツ軍との市街戦の指揮をとった。同日16時頃、ドイツ軍のパリ駐留部隊司令官フォン・コルティッツが駅に出頭し、ルクレールとの会談の後降伏した。

1960年代に入ると、パリの再開発の一環としてモンパルナス駅を南に移転してメーヌ駅と統合し、跡地にオフィスビルとショッピングセンターを建設することになった。新駅への移転は1965年に行われた。この時点では駅舎は頭端側(現ポルト・オセアン)のみであり、パスツール大通りは単なる跨線橋だった。旧駅の跡地には1972年モンパルナス・タワーが完成した。

1989年LGV大西洋線開通に伴うTGVの乗り入れのため、駅は更に増改築された。1987年には駅舎(ポルト・オセアン)の改築が行われた。1991年にはパスツール大通りを挟む形でホーム上にオフィスビルが建てられ、その下にパスツール駅舎が作られた。1995年にはホーム上がすべて人工地盤で覆われ、アトランティック庭園が完成した。

駅周辺

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駅北側の旧モンパルナス駅跡地には、パリで最も高い超高層ビルモンパルナス・タワーと、ギャラリー・ラファイエットなどが入るショッピングセンターがある。旧駅跡地の東側の通りをデパール(Départ、出発)通り、西側をアリヴェ(Arivée、到着)通りというが、これは旧駅舎の左(東)側が出発用、右(西)側が到着用と使い分けられていた名残である。

その北側の旧駅前広場(1940年6月18日広場、旧称レンヌ広場)からはパリ中心部へ向かってレンヌ通り(Rue de Rennnes)が一直線に延びている。これは駅開業後にオスマンパリ改造の一環として作られたものである。通りの名はモンパルナス駅発の鉄道沿線の主要都市であるレンヌから取られた。

モンパルナス駅やその周辺にはレジスタンス運動パリの解放を記念したものが多くある。旧駅前広場の名称「1940年6月18日広場」は、シャルル・ド・ゴールが亡命先のロンドンから徹底抗戦を呼び掛ける放送を行った日付に由来する。また駅屋上のアトランティック庭園北側にはフィリップ・ルクレールジャン・ムーランを記念する博物館がある。庭園内の歩道には「第2機甲師団(Deuxième division blindée)」や「ドロンヌ大尉(Capitaine Dronne、パリに一番乗りした戦車中隊の中隊長)」といった名がつけられている。これら旧跡の他駅周辺にはクレープを扱う店が多数軒を連ねている。

メトロ・バス

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メトロ461213号線モンパルナス=ビヤンヴニュ駅はモンパルナス駅の北側にあり、オセアン駅舎の地下一階で直接つながっている。6、13号線のホームはモンパルナス駅から比較的近くにあるが、4、12号線ホームは遠く離れている。

オセアン駅舎前のラウル・ドートリー広場には「モンパルナス駅(Gare Montparnasse)」バス停があり、パリ市内各地への路線バスが発着する。また、オセアン駅舎東側のコマンダン・ルネ・ムショット通り(Rue du Commandant René Mouchotte)にはエールフランスの運行するシャルル・ド・ゴール空港オルリー空港行のバスの停留所がある。

パスツール駅舎前には「モンパルナス2・TGV駅(Montparnasse 2 Gare TGV)」バス停があり、ヴォージラール駅舎近くのコタンタン通りには「コタンタン・モンパルナス3(Cotentin Montparnasse 3)」バス停がある。いずれも「モンパルナス駅」バス停に比べ発着する路線は少ない。

隣の駅

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フランス国鉄
TGV inOui
トゥールーズ・マタビオ駅発着
トゥールーズ・マタビオ駅/ボルドー=サン=ジャン駅/アングレーム駅/マッシーTGV駅 - モンパルナス駅
アンダイエ駅/タルブ駅発着
ボルドー=サン=ジャン駅/マッシーTGV駅 - モンパルナス駅
アルカション駅発着
ボルドー=サン=ジャン駅/アングレーム駅 - モンパルナス駅
Ouigo
トゥールーズ・マタビオ駅発着
ボルドー=サン=ジャン駅/アングレーム駅 - モンパルナス駅
ボルドー=サン=ジャン駅発着
ボルドー=サン=ジャン駅/ポワチエ駅/サン・ピエール・デ・コール駅/マッシーTGV駅 - モンパルナス駅
ナント駅発着
ル・マン駅/マッシーTGV駅 - モンパルナス駅
レンヌ駅発着
ラヴァル駅/マッシーTGV駅 - モンパルナス駅
TERノルマンディーフランス語版
グランヴィル駅発着
レーグル駅/ヴェルヌイユ=シュル=アーヴル駅/ドルー駅/ヴェルサイユ=シャンティエ駅 - モンパルナス駅
ポントルソン - モン=サン=ミッシェル駅/アルジャンタン駅発着
ドルー駅/ヴェルサイユ=シャンティエ駅 - モンパルナス駅
TERサントル=ヴァル・ド・ロワールフランス語版
ル・マン駅/ノジャン=ル=ロトルー駅/シャルトル駅発着
ヴェルサイユ=シャンティエ駅 - モンパルナス駅
トランシリアンN線
ドルー駅発着
ヴェルサイユ=シャンティエ駅 - モンパルナス駅
ランブイエ駅発着
ヴェルサイユ=シャンティエ駅/ヴィロフレー=リヴ=ゴーシュ駅/ヴァンヴ - マラコフ駅 - モンパルナス駅
マント=ラ=ジョリー駅/プレジール - グリニョン駅発着
ヴァンヴ - マラコフ駅 - モンパルナス駅

関連項目

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