フォルティ・FG03 (Forti FG03) は、フォルティ1996年F1世界選手権用に開発したフォーミュラ1カー。デザイナーはクリス・ラデージリカルド・デ・マルコ。ドライバーはルカ・バドエルアンドレア・モンテルミーニ

フォルティ・FG03
カテゴリー F1
コンストラクター フォルティ・コルセ
デザイナー リカルド・デ・マルコ
クリス・ラデージ
ジョージ・ライトン
先代 FG01B
主要諸元
シャシー カーボンファイバー製 ハニカムコンポジット モノコック
サスペンション(前) 不等長ウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション(後) 不等長ウィッシュボーン, プッシュロッド
エンジン フォード Zetec-R ECA 90度 V8, 自然吸気, ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ヒューランド 6速 シーケンシャル
燃料 エルフ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム フォルティ・グランプリ
ドライバー 22. イタリアの旗 ルカ・バドエル
23. イタリアの旗 アンドレア・モンテルミーニ
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1996年サンマリノグランプリ
出走優勝ポールFラップ
6000
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概要 編集

開発 編集

フォルティチーム技術部門トップのジョルジョ・スティラーノによると、「FG03では前作FG01での失敗の教訓を生かすことを考えた。ノーズはFG01のセカンドバージョンから採用したハイノーズコンセプトを継続していますが、もっとシャープにしました。サイドポンツーンもより短かく、低くなるように変えました。FG01ではここが高すぎたため、リヤウイングへ流したい空気が流れずダウンフォースが得られなかったので、ディフューザーまでのクリーンな空気の流れを持つマシンにしたかったのです。レギュレーションが許す限りリヤのグランドエフェクトを最大限利用できるようにテールの形は設計されています」と述べている[1]。エンジンはフォード・ゼテックRが搭載された。

FG03では前年より開発に力を入れていたセミオートマチックトランスミッションが最初から搭載され、これによりF1ではフォルティのみとなっていたマニュアルトランスミッションが姿を消すこととなった。

1996年シーズン 編集

FG03は、「F3000DFVの先祖返り」、「欠陥品」と称されるほどの貧弱なフォード・コスワース・EDエンジン(最高出力600馬力未満、さらにFG01に搭載されていたEDエンジンはセッテイングの杜撰さから高回転が出辛く、500~550馬力程度しか発揮させられなかった。)の代わりにEDエンジンとは比べ物にならない程強力なフォード・コスワース・ZETEC-Rエンジン(前年度にザウバー・C14に搭載された型落ちのV8仕様であったが、それでもEDエンジンより約120~140馬力もの最高出力の差があった。)を搭載したにもかかわらず、その有り余る程のパワーを車体が全く活かせず、寧ろ昨年度よりも戦闘力が落ちてしまうという本末転倒な状態のマシンであった前作FG01B(FG02とする資料もある)の代わりとして設計された。初登場となった第5戦イモラで、FG03は旧型よりもダウンフォースの大きな進歩と感度の向上を示した。しかしそれでも強力なZETEC-Rエンジンの真価を見せるには程遠い「豚に真珠」とすら批判されるほどの戦闘力の低さで、完走したのはこのデビュー戦限りであった。第7戦スペインおよび第10戦イギリスでは107%ルールによって両名とも予選落ちしている。結局FG03はあまりにも遅い失敗作で、さらに資金難でまともなアップデートもままならず、力尽きたフォルティは第11戦ドイツGPに参加すること無く、F1から撤退した。

チームは選手権ポイントを1ポイントも得ること無く、ランキング最下位となった。

現存する車両 編集

F1における全成績 編集

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1996年 フォルティ フォード Zetec R ECA V8 G AUS
 
BRA
 
ARG
 
EUR
 
SMR
 
MON
 
ESP
 
CAN
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
BEL
 
ITA
 
POR
 
JPN
 
0 11位
  ルカ・バドエル 10 Ret DNQ Ret Ret DNQ DNP
  アンドレア・モンテルミーニ DNS DNQ Ret Ret DNQ DNP

参照 編集

  • Henry, Alan (ed) (1996). AUTOCOURSE 1996-97. Hazleton Publishing. p. 92. ISBN 1-874557-91-8 
  1. ^ 全12チームデザイナーインタビュー「'95回顧と'96ニューマシンの秘密」ジョルジョ・スティラーノ(フォルティ) F1グランプリ特集 1月号 33頁 1996年1月16日発行
  2. ^ http://www.firebox.com/product/1807/F1-Racing-Experience?via=ser

外部リンク 編集