スペルミジン: spermidine)はポリアミンに分類される有機化合物で、細胞の生存、増殖、ミトコンドリアの機能維持に必須である。そのため、細胞内には豊富に含まれているが、加齢とともにその生体内濃度は低下することが知られている。

スペルミジン
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スペルミジンの構造式
識別情報
CAS登録番号 124-20-9
KEGG C00315
特性
化学式 C7H19N3
モル質量 145.25 g mol−1
外観 無色固体
密度 0.925 g/cm3、液体 (25 ℃)
融点

22–25 ℃

沸点

128–130 (℃/14 mmHg)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

特徴 編集

細胞代謝の際にRNAポリメラーゼの一種である酵素T7 RNAポリメラーゼを活性化するのに利用されることがある。

一酸化窒素合成酵素 (nNOS) を阻害する、DNAへの結合・誘発作用を持つ、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ活性を誘起する、などの特徴がある。DNA結合タンパク質の精製に利用することもできる。

スペルミジンはT細胞の脂肪酸酸化を直接活性化し、老化による抗腫瘍免疫の低下を回復させることが示されている[1]

調整時における注意 編集

無菌の溶液が必要な場合はろ過によって調製すべきであり、オートクレーブを用いてはならない。放置すると脱アミノ化を起こすので、凍結させて保存する必要があり、頻繁に新しい溶液を調製しなければならない。また匂いは男性の精液に酷似する。

関連項目 編集

出典・脚注 編集