スキーズブラズニル

北欧神話に登場する帆船

スキーズブラズニル[1]古ノルド語: Skíðblaðnir、スキズブラズニル、スキーズプラズニル、スキッドブラドニール[2]、スキドブラドニルとも。)は、北欧神話に登場する魔法帆船である。

シンドリとブロックの兄弟が宝物を制作している場面。宝物の中にスキーズブラズニルらしき帆船が見える。

『エッダ』 編集

古エッダ』の『グリームニルの言葉』第43節では、イーヴァルディの子らがフレイのために作ったと語られている。続く第44節では、船のうちで最もすばらしいのがこのスキーズブラズニルだと説明される[3]。 『スノッリのエッダ』第二部『詩語法』では制作の経緯が詳しく語られている。 全ての神族を乗せうるほど[4]巨大な帆船であるが、折りたたむと袋に入るほどの大きさになる。また、帆を張った時には、どこからともなく風が吹き船を進めることができる[5]

『ヘイムスクリングラ』 編集

ヘイムスクリングラ』の『ユングリング家のサガ』においては、スキーズブラズニルはオーディンの所有物となっている。『エッダ』と同様に布のように折りたたむことができる船だとされている[4]

脚注 編集

  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』などにみられる表記。
  2. ^ 『北欧神話と伝説』(ヴィルヘルム・グレンベック著、山室静訳、新潮社、1971年、ISBN 978-4-10-502501-4)などにみられる表記。
  3. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』56頁。
  4. ^ a b 『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 - (一)』44-45頁。
  5. ^ 『「詩語法」訳注』42頁。

参考文献 編集

関連項目 編集