コロラド・ロッキーズ

アメリカのプロ野球チーム
コロラドロッキーズから転送)

コロラド・ロッキーズ英語: Colorado Rockies、略称: COL、ロ軍)は、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)ナショナルリーグ西地区所属のプロ野球チーム。本拠地はコロラド州デンバーにあるクアーズ・フィールド。チーム名の由来はロッキー山脈

コロラド・ロッキーズ
Colorado Rockies
1993創設
所属リーグ
チーム名
  • コロラド・ロッキーズ (1993年 - )
本拠地
1993-現在の位置(アメリカ合衆国内)
1993-現在
1993-現在
永久欠番
獲得タイトル(獲得年)
ワールドシリーズ優勝(0回)
リーグ優勝(1回)
地区優勝(0回)
ワイルドカード(5回)
  • 1995
  • 2007
  • 2009
  • 2017
  • 2018
球団組織
オーナー モンフォート・ブラザーズ英語版
GM ビル・シュミット
監督 バド・ブラック

球団の歴史 編集

1990年代 編集

1991年に発足し、1992年のMLBエクスパンションドラフトを経て、1993年から参加で同年観客動員が4,483,350人でこれは大リーグ記録である。以降も、1998年まではメジャーでもトップの観客動員を記録し、2001年まではシーズン観客動員が300万人を超えるメジャー屈指の人気球団であった。1995年に現在の本拠地のクアーズ・フィールドが開場。FAで獲得したラリー・ウォーカーやMVP級のダンテ・ビシェットなどの活躍で同年には初のポストシーズン進出も成し遂げている。1997年8月にトッド・ヘルトンがメジャーデビューを果たした。

2000年代 編集

2005年MLBドラフト1巡目でトロイ・トゥロウィツキーを獲得した。

2006年は8月30日にトゥロウィツキーがメジャーデビューを果たした。

2007年は1995年以来のポストシーズン進出を果たす。ディビジョンシリーズを勝ち抜いてナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)に進出、10月15日に地元デンバーにてアリゾナ・ダイヤモンドバックスにシリーズ4連勝でナショナルリーグを初優勝を果たし、球団創設以来、初めてとなるワールドシリーズ進出を決めた。現制度下でのプレーオフの7連勝はこれが初めて(ポストシーズン7連勝は1976年シンシナティ・レッズ以来31年ぶり)。しかし、ボストン・レッドソックスとのワールドシリーズでは4連敗を喫して敗退した。

2008年MLBドラフト2巡目でチャーリー・ブラックモンを獲得した。

2009年MLBドラフト2巡目でノーラン・アレナドを獲得した。ワイルドカードで3度目のポストシーズン進出を果たすが、ディビジョンシリーズフィラデルフィア・フィリーズに1勝3敗で敗退した。オフの11月にマット・ホリデイとのトレードでカルロス・ゴンザレスヒューストン・ストリートを獲得した。

2010年代 編集

2010年オフの11月、トロイ・トゥロウィツキーと10年1億6000年万ドルで契約延長[1]。2011年1月、カルロス・ゴンザレスと7年8000万ドルで契約延長[2]

2011年MLBドラフト1巡目でトレバー・ストーリーを獲得した。6月7日にはブラックモンがメジャーデビューを果たした。最終的に4位だった。

2012年は最下位だった。

2013年は4月28日にアレナドがメジャーデビューを果たした。トッド・ヘルトンが引退した。

2015年はフランチャイズプレイヤーだったトゥロウィツキーをブルージェイズへトレードした。最終的にチームからアレナドが本塁打王、打点王を獲得した。

2016年は4月4日の開幕戦でストーリーがメジャーデビューを果たした。最終的に2010年以来6年ぶりの3位に浮上。ワイルドカード争い6位につけるなど善戦したが、勝率は6年連続で5割を切った。チームからがアレナドが2年連続で本塁打王、打点王を獲得した。オフの12月にテキサス・レンジャーズからFAのイアン・デズモンドを5年総額7000万ドルで獲得した。

2017年は6月18日にアレナドがサイクル安打を達成した。最終的にブラックモンが首位打者を獲得し、OPS1.000を記録するなどMVP投票で5位に入る大活躍だった。1年契約で獲得したグレッグ・ホランドセーブ王を獲得した。チームとしては2010年以来7年ぶりの勝率5割以上で2009年以来8年ぶりのワイルドカードを決め、4度目のポストシーズン進出を果たす。しかし、ダイヤモンドバックスとのワイルドカードゲーム英語版に敗れて敗退した。オフにウェイド・デービスを3年5200万ドル、ブライアン・ショウを3年2700万ドルで獲得し、ブルペンを強化した。

2018年4月、チャーリー・ブラックモンと6年1億800万ドルで契約延長[3]。この年はアレナドが38本塁打で2年ぶり3度目の本塁打王を獲得し、3年目のトレバー・ストーリーが37本塁打などを記録。その他既存戦力のカルロス・ゴンザレス、ブラックモン、ルメイユなどが強力打線を支えた。投手陣ではカイル・フリーランドが球団史上2人目の2点台防御率かつ球団記録の2.85を記録し、リーグ4位タイの17勝を挙げた。14勝のヘルマン・マルケスは230奪三振で球団記録を更新し、12勝のジョン・グレイを加えて2桁勝利投手が3人生まれた。救援ではデービスが43セーブで球団記録を更新し、チームとしては2年連続、単独では初となる最多セーブを獲得した。チーム内最高打率がリーグ10位の.297(アレナド)で、3割打者が不在であったこともあり比較的投手力で戦い抜いたシーズンとなった。162試合終了時点でロサンゼルス・ドジャースと並んで地区首位だったため、163試合目としてタイブレーカー(en:2018 National League West tie-breaker game)を敵地で戦ったものの敗れ、2年連続ワイルドカードの地区2位となった。シカゴ・カブスとのワイルドカードゲーム英語版に勝利し、ディビジョンシリーズに進出した。しかし、ミルウォーキー・ブルワーズとのディビジョンシリーズに3連敗のスウィープで敗退した。オフの12月21日にカブスからFAとなっていたダニエル・マーフィーを獲得した。

2019年4月、ヘルマン・マルケスと5年4300万ドルで契約延長[4]。6月13日から16日に行われた対サンディエゴ・パドレス戦(クアーズ・フィールド)の4連戦で、第1戦は9-6、第3戦は14-8でロッキーズが勝利し、第2戦は12-16、そして第4戦は13-14でパドレスが勝利。ともに2勝2敗の五分で4試合を戦い終えたが、この4試合で両チーム合わせて叩き出した計92点は1929年5月に行われたフィリーズドジャースの88得点を抜き、MLBの歴史の中で4連戦で生まれた史上最多得点となった[5]。また、第1戦は共に13安打ずつの計26安打、第2戦は延長12回までもつれ、ロッキーズが18安打の計39安打、第3戦は19安打の計32安打、第4戦は19安打の計34安打。4試合連続で両チームともに2桁安打を記録し、計131安打が乱れ飛び、歴史に残る大乱打戦シリーズとなった[6][7]

2020年代 編集

2020年はシーズン開幕前の1月17日にラリー・ウォーカーが現役時代に身につけた背番号「33」が永久欠番とされることが発表された[8]。1月21日にはウォーカーが球団史上初となるアメリカ野球殿堂入りを果たした[9]。シーズンではCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなり、開幕直前の7月、共に中継ぎで3年契約の最終年だったジェイク・マギーブライアン・ショウを放出した[10]。ストーリーが盗塁王を獲得した。

2021年はシーズン開幕前の2月1日にフランチャイズプレイヤーだったアレナドをカージナルスへトレードした。シーズンでは7月4日に地元開催のオールスターゲームながら選手間投票でヘルマン・マルケスが唯一チームから選出された[11]C.J.クロンが8月のプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞した[12]。シーズン終了直後の10月、アントニオ・センザテラと5年5050万ドル、C.J.クロンと2年1450万ドルでそれぞれ契約延長[13]。11月、エリアス・ディアス3年1450万ドルで契約延長[14]。デビュー以来攻守の要だったトレバー・ストーリーは残留の意思がほとんどなく[15]、FAでボストン・レッドソックスへ移籍した。

2022年開幕前の3月、サンフランシスコ・ジャイアンツからFAのクリス・ブライアントを7年総額1億8200万ドルの大型契約で獲得した。ライアン・マクマホン6年総額7000万ドルで契約延長[16]。開幕後の4月、カイル・フリーランドと5年6450万ドルで契約延長[17]

チームの特徴 編集

 
チームのマスコット“ディンガー”。

プロスポーツチームとしてはかなり異色の存在で、チームとしてキリスト教信仰を重視しており、ロッカールームやトレーニングルームからは俗世的な雑誌は排され、スポーツ雑誌などの他に聖書が置かれている。壁には聖書からの引用文などが掲げられ、日曜日にはチームで礼拝も行われる(任意参加)[1]

標高1600mと高地にあり、パークファクターの各指標値が高く、打球の飛びやすいクアーズ・フィールドを本拠地としているため、極端な打高投低のチームといえる。アンドレス・ガララーガダンテ・ビシェットラリー・ウォーカービニー・カスティーヤによる「ブレイク・ストリート・ボンバーズ(The Blake Street Bombers)」、トッド・ヘルトンマット・ホリデイトロイ・トゥロウィツキーカルロス・ゴンザレスマイケル・カダイアージャスティン・モルノーノーラン・アレナドDJ・ルメイユチャーリー・ブラックモンクリス・ブライアントなどの強打者が多く、1993年以来、首位打者11回、本塁打王6回、打点王9回をロッキーズの選手が受賞している(2018年シーズン終了時点)。シルバースラッガー賞の受賞者も多い。その反面、チーム防御率は毎年のように5点台を記録するなど散々な状況であり、投手部門での主要タイトルの受賞者は2016年まで一人もいない状況が続いていたが、2017年にはグレッグ・ホランドセーブ王を獲得した。

選手名鑑 編集

現役選手・監督・コーチ 編集

コロラド・ロッキーズ ロースター
40人ロースター 監督・コーチ/他

投手

捕手

内野手

外野手

指名打者

監督

コーチ

60日故障者リスト


* アクティブ・ロースター外
2024年6月8日更新

公式サイト(英語)より:アクティブ・ロースター, 40人ロースター, コーチ, 選手の移籍・故障情報, 予想オーダー

ロースター一覧

アメリカ野球殿堂表彰者 編集

永久欠番 編集

番号 選手 ポジション 備考
17 トッド・ヘルトン (Todd Helton) 一塁手 2014年指定
33 ラリー・ウォーカー (Larry Walker) 外野手 2021年指定
42 ジャッキー・ロビンソン(Jackie Robinson) 二塁手 全球団共通の永久欠番
KSM ケリー • マクレガー (Keri McGregor) 球団社長 2010年指定

意図的に使用されていない番号

歴代監督 編集

監督 期間 試合 勝利 敗戦 勝率 PS NL WS
1 ドン・ベイラー 1993-98 909 440 469 .484 1 0 0
2 ジム・リーランド 1999 162 72 90 .444 0 0 0
3 バディ・ベル 2000-02 346 161 185 .465 0 0 0
4 クリント・ハードル 2002-09 1159 534 625 .461 1 1 0
5 ジム・トレーシー 2009-12 602 294 308 .488 1 0 0
6 ウォルト・ワイス 2013-16 648 283 365 .437 0 0 0
7 バド・ブラック 2017- 547 275 272 .502 2 0 0
監督 期間 試合 勝利 敗戦 勝率 PS NL WS

PSはポストシーズン進出、NLはナショナルリーグ制覇、WSはワールドシリーズ制覇。

(数字は2020年シーズン終了時)

歴代所属日本人選手 編集

チーム記録 編集

通算記録 編集

※2019年シーズン終了時点。

シーズン記録 編集

※2019年シーズン終了時点

傘下マイナーチーム 編集

クラス チーム 参加リーグ 提携 本拠地
AAA アルバカーキ・アイソトープス
Albuquerque Isotopes
パシフィックコーストリーグ
Triple-A West
2015年  ニューメキシコ州アルバカーキ
アイソトープス・パーク
AA ハートフォード・ヤードゴーツ
Hartford Yard Goats
イースタンリーグ
Double-A Northeast
2015年  コネチカット州ハートフォード
ダンキンドーナツ・パーク
High-A スポケーン・インディアンス
Spokane Indians
ノースウェストリーグ
High-A West
2021年  ワシントン州スポケーンバレー
アビスタ・スタジアム
Low-A フレズノ・グリズリーズ

Fresno Grizzlies

カリフォルニアリーグ

Low-A West

2021年  カリフォルニア州フレズノ
グリズリーズ・スタジアム
Rookie アリゾナコンプレックスリーグ・ロッキーズ
Grand Junction Rockies
アリゾナコンプレックスリーグ
Arizona Complex League
2021年  アリゾナ州スコッツデール

ソルト・リバー・フィールズ・アット・トーキング・スティック

ドミニカン・サマーリーグ・ロッキーズ
Dominican Summer League Rockies
ドミニカン・サマーリーグ
Dominican Summer League
1997年  ドミニカ共和国
ラス・アメリカス

脚注 編集

  1. ^ トゥロウィツキー10年128億円ロッキーズ”. 日刊スポーツ (2010年12月1日). 2022年5月1日閲覧。
  2. ^ ゴンザレスがロ軍契約延長へ 7年64億円”. 日刊スポーツ (2011年1月4日). 2022年5月1日閲覧。
  3. ^ ブラックモン、ロッキーズと6年115億円に合意”. 日刊スポーツ (2018年4月6日). 2022年5月1日閲覧。
  4. ^ ロッキーズ、右腕マルケスと5年48億円で延長合意”. 日刊スポーツ (2019年4月3日). 2022年5月1日閲覧。
  5. ^ パドレスとロッキーズ、4連戦で驚異の92得点”. 日刊スポーツ. 2019年6月17日閲覧。
  6. ^ 史上最多の4試合計92得点 計131安打が乱れ飛ぶ歴史的大乱打戦シリーズが…”. Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト―. 2019年6月17日閲覧。
  7. ^ ロッキーズ対パドレス、4連戦で両チーム合計92得点のMLB記録 ブラックモンは4戦15安打”. ベースボールチャンネル(BaseBall Channel). 2019年6月17日閲覧。
  8. ^ 'No bigger honor': Rox to retire Walker's No. 33” (英語). MLB.com. 2020年1月18日閲覧。
  9. ^ Walker elected to Hall of Fame in final year” (英語). MLB.com. 2020年1月22日閲覧。
  10. ^ Press release: Colorado Rockies release pitchers Jake McGee and Bryan Shaw”. MLB.com (2020年7月18日). 2022年5月1日閲覧。
  11. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (2021年7月11日). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  12. ^ Michael Guzman (2021年9月2日). “Abreu, Cron named top players for August” (英語). MLB.com. 2021年9月3日閲覧。
  13. ^ ロッキーズ、チーム本塁打トップのクロンらと複数年契約”. 日刊スポーツ (2021年10月6日). 2022年5月1日閲覧。
  14. ^ ロッキーズ、ディアスと3年契約延長 盗塁阻止率で今季ナ・リーグ首位”. 日刊スポーツ (2021年11月19日). 2022年5月1日閲覧。
  15. ^ Tired Of Losing, Trevor Story Won’t Stay With The Colorado Rockies”. フォーブス (2021年6月8日). 2022年5月1日閲覧。
  16. ^ ロッキーズ、マクマーンと27年まで契約 26年シーズン終了後にオプトアウト可能”. 日刊スポーツ (2022年3月22日). 2022年5月1日閲覧。
  17. ^ ロッキーズ、生え抜き左腕フリーランドと5年77億円超で契約延長 年俸調停を回避”. 日刊スポーツ (2022年4月20日). 2022年5月1日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集