グランドスラム (車いすテニス)

グランドスラム (: Grand Slam) とは、車いすテニスの4大大会をすべて制覇することをいう。

4大大会 編集

大会名 英名 開催地 開催月 サーフェス
全豪オープン Australian Open   オーストラリア 1月 ハードコート
全仏オープン French Open
(: Internationaux de France de tennis)
  フランス 5月 クレーコート
ウィンブルドン選手権 The Championships, Wimbledon   イギリス 6月 芝コート
全米オープン US Open   アメリカ合衆国 8月 ハードコート

2000年代、テニス4大大会に車いすテニス部門が相次いで加わり、2009年、NEC車いすテニスツアーにグランドスラムのグレードが新設された。対象となるのは以下の4大会である[1]ウィンブルドン選手権はこれまでシングルスがなかったが、2016年より導入され[2]、これによって、4大大会すべてで男子・女子それぞれのシングルス・ダブルス両部門が開催されるようになった。

 
 
全豪オープン
 
全仏オープン
 
ウィンブルドン
 
全米オープン
グランドスラム (車いすテニス) (地球)

優勝者一覧 編集

年間グランドスラム達成者 編集

1年でグランドスラムを達成することを「年間グランドスラム」と呼ぶ。以下に選手名と達成年を示す。

男子シングルス 編集

達成者 備考
2007年[1]
2009年[3]
2010年[3]
2014年[3]
2015年[3]
  国枝慎吾

女子シングルス 編集

達成者 備考
2007年[1]
2009年[3]
2011年[3]
  エステル・フェルヘール
2021年
2022年
2023年
  ディーデ・デ・グロート 2021年に年間ゴールデンスラムを達成

男子ダブルス 編集

達成者 備考
2014年   ステファン・ウデ ペアは  ヨアヒム・ジェラール  国枝慎吾

女子ダブルス 編集

達成者 備考
2009年   エステル・フェルヘール
  コリー・ホーマン
2011年   エステル・フェルヘール
  シャロン・ウォルレイブン
2013年   アニーク・ファン・コート
  イスケ・フリフィウン
2014年   上地結衣
  ジョーダン・ホワイリー

クアッドシングルス 編集

達成者 備考
2021年   ディラン・アルコット 2021年に年間ゴールデンスラムを達成

クアッドダブルス 編集

達成者 備考
2007年[1]
2009年[3]
2010年[3]
2014年[3]
2015年[3]
  国枝慎吾

4大会連続優勝 編集

4大大会において 4連勝および4連勝以上を挙げたものの、2年間に跨るが故に“年間”グランドスラムとは見なされない連勝記録が存在している。これをノン・カレンダー・イヤー・グランドスラム(Non-calendar Year Glandslam)という。

男子シングルス 編集

女子シングルス 編集

男子ダブルス 編集

女子ダブルス 編集

クアッドダブルス 編集

キャリア・グランドスラム 編集

選手生活の間に、4大大会を全て制覇する事を指す。日本語では「生涯グランドスラム」または「生涯4大大会全制覇」および「通算グランドスラム」などと訳される。

また、便宜上、ウィンブルドン選手権を全英と表記する。

男子シングルス 編集

- 達成者 達成期間 備考
1   国枝慎吾 2007年全豪→2022年全英 ダブルスでも達成

女子シングルス 編集

- 達成者 達成期間 備考
1   ディーデ・デ・グロート 2017年全英→2019年全仏 ダブルスでも達成

クアッドシングルス 編集

- 達成者 達成期間 備考
1   ディラン・アルコット 2015年全豪→2019年全英 ダブルスでも達成

男子ダブルス 編集

- 達成者 達成期間 備考
1   国枝慎吾 2006年全英→2008年全仏 シングルスでも達成
2   ミカエル・ジェレミアス 2003年全豪→2009年全英
3   ステファン・ウデ 2007年全仏→2010年全豪
4   マイケル・シェファース 2008年全仏→2011年全英

女子ダブルス 編集

- 達成者 達成期間 備考
1   エステル・フェルヘール 2004年全豪→2009年全英
  コリー・ホーマン 2005年全米→2009年全英
3   シャロン・ウォルレイブン 2010年全仏→2011年全豪
4   イスケ・フリフィウン 2006年全豪→2012年全英
5   アニーク・ファン・コート 2010年全豪→2013年全米
6   上地結衣 2014年全豪→2014年全米
  ジョーダン・ホワイリー 2014年全豪→2014年全米
8   ディーデ・デ・グロート 2017年全米→2019年全豪 シングルスでも達成

クアッドダブルス 編集

- 達成者 達成期間 備考
1   ディラン・アルコット 2018年全豪→2019年全米 シングルスでも達成
年間グランドスラム達成

ゴールデン・スラム 編集

4大大会及びパラリンピックを制することをゴールデン・スラム (Golden Slam) という。ゴールデン・スラムは4年に一度しか達成可能な機会が無いために、最難関の偉業とされている。

男子シングルス 編集

- 達成者 キャリア・グランドスラム達成期間 パラ五輪初金メダル 備考
1   国枝慎吾 2007年全豪→2022年全英 2008年北京パラリンピック ダブルスでも達成

女子シングルス 編集

- 達成者 キャリア・グランドスラム達成期間 パラ五輪初金メダル 備考
1   ディーデ・デ・グロート 2017年全英→2019年全仏 2021年東京パラリンピック 2021年に年間ゴールデンスラムを達成
ダブルスでも達成

クアッドシングルス 編集

- 達成者 キャリア・グランドスラム達成期間 パラ五輪初金メダル 備考
1   ディラン・アルコット 2015年全豪→2019年全英 2016年リオデジャネイロパラリンピック ダブルスでも達成

男子ダブルス 編集

- 達成者 キャリア・グランドスラム達成期間 パラ五輪初金メダル 備考
1   国枝慎吾 2006年全英→2008年全仏 2004年アテネパラリンピック シングルスでも達成
2   ミカエル・ジェレミアス 2003年全豪→2009年全英 2008年北京パラリンピック
3   ステファン・ウデ 2007年全仏→2010年全豪 2008年北京パラリンピック

女子ダブルス 編集

- 達成者 キャリア・グランドスラム達成期間 パラリンピック初金メダル 備考
1   エステル・フェルヘール 2004年全豪→2009年全英 2000年シドニーパラリンピック
2   コリー・ホーマン 2005年全米→2009年全英 2008年北京パラリンピック
3   シャロン・ウォルレイブン 2010年全仏→2011年全豪 2008年北京パラリンピック
4   ディーデ・デ・グロート 2017年全米→2019年全豪 2021年東京パラリンピック シングルスでも達成

クアッドダブルス 編集

- 達成者 キャリア・グランドスラム達成期間 パラ五輪初金メダル 備考
1   ディラン・アルコット 2018年全豪→2019年全米 2016年リオデジャネイロパラリンピック シングルスでも達成

日本人選手上位成績 編集

達成者 記録
国枝慎吾 シングルス年間グランドスラム(2007, 2009, 2010, 2014, 2015)[1][3]
シングルス7連勝
シングルスダブルス共にキャリア・ゴールデン・スラム達成
上地結衣 ダブルスで年間グランドスラム達成(2014)
小田凱人 2023年全仏オープン、ウィンブルドン選手権優勝
2024年全豪オープン、全仏オープン優勝

関連項目 編集

グランドスラム (テニス)

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 2008年まで、車いすテニスにおける最もグレードの高い大会はスーパーシリーズとされ、全豪オープン (1月、オーストラリアメルボルン)、ジャパンオープン (5月、福岡県飯塚市)、全英オープン (7月、イギリスノッティンガム)、全米オープン (10月、アメリカ合衆国サンディエゴ)を指していた。2007年の国枝とフェルヘールのグランドスラム達成もこのスーパーシリーズの4大会制覇を意味する。なお、国枝、フェルヘール共に、2007年のローラン・ギャロスも制している。
  2. ^ Wimbledon announces Wheelchair Tennis Singles events from 2016”. オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ (2015年7月12日). 2016年1月27日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 2015年までウィンブルドン選手権にシングルスはなかったため全豪、全仏、全米の3大会の年間制覇である