アルコース(Arkose)またはアルコース砂岩(Arkosic sandstone)[1]は、砕屑物堆積岩のうち、特に少なくとも25%は長石を含むものである[2][3]アルコース砂は、長石を多く含むで、アルコースの前駆体となりうるものである。

アルコース
堆積岩
K-長石(橙色)と石英(灰色)の粒を含むアルコース
構成物
>25% 長石
プロジェクト:地球科学Portal:地球科学
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組成 編集

鉱物組成としては、石英が大部分を占め、しばしば雲母も含まれる。鉱物の他に、岩石の破片も重要な組成である。アルコースは通常、少量の方解石セメントを含むため、希塩酸中でわずかに発泡する。セメントには酸化鉄も含まれている場合がある。

色と化石 編集

色は通常灰色から赤みがかった色で、砂粒の大きさは細かいものから非常に荒いものまであるが、荒いものが多い。その堆積過程から、アルコース中の化石は珍しいが、単層はしばしば見られる。

形成過程 編集

アルコースは、長石の豊富な火成岩変成岩、多くは花崗岩等の風化によって形成される。長石が著しい化学的風化や分解を受けないように、寒冷乾燥の環境下で急速に堆積する必要がある。そのため、アルコースは、textural immaturityな堆積岩と言われることがある。アルコースは、花崗岩質の地形に由来する礫岩の堆積物と共生することが多く、花崗岩の地形のすぐ近隣の不整合の上でよく見られる。

ギャラリー 編集

ウルル 編集

オーストラリア中央部にある残丘であるウルルは、新原生代後期からカンブリア紀アマデウス盆地に堆積したアルコースである[4]

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ Jackson, Julia A., ed (1997). “arkosic sandstone”. Glossary of Geology (4th ed.). Alexandria, Virginia: American Geosciences Institute. ISBN 0922152349 
  2. ^ Folk, R. L. (1974). Petrology of Sedimentary Rocks. Hemphill. ISBN 0-914696-14-9. オリジナルの2006-02-14時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20060214063526/http://www.lib.utexas.edu/geo/folkready/folkprefrev.html 2007年5月5日閲覧。 
  3. ^ Stow, D. A. V. (2005). Sedimentary Rocks in the Field. Manson. ISBN 1-874545-69-3 
  4. ^ Sweet, I. P.; Crick, I. H. (1991). Uluṟu & Kata Tjuṯa: A Geological History. Australian Geological Survey Organization. ISBN 0-644-25681-8