ぶらり信兵衛 道場破り
『ぶらり信兵衛 -道場破り-』(ぶらりしんべえ どうじょうやぶり)は、フジテレビ系列で1973年10月4日から1974年9月26日まで毎週木曜21:00 - 21:55(JST)に放映されたフジテレビ、東映(東映京都撮影所)製作の時代劇である。全50回。
ぶらり信兵衛 -道場破り- | |
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ジャンル | 時代劇 |
原作 | 山本周五郎『人情裏長屋』より |
企画 | 白川文造 |
脚本 |
倉本聰 土井行夫 飛鳥ひろし 野波静雄 田上雄 土橋成男 |
監督 |
斎藤武市 松尾正武 井沢雅彦 |
出演者 |
高橋英樹 浜木綿子 ほか |
オープニング | ボニー・ジャックス |
製作 | |
プロデューサー |
渡辺大年(フジテレビ) 田村嘉(東映) |
制作 | フジテレビ |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1973年10月4日 - 1974年9月26日 |
放送時間 | 木曜21:00 - 21:55 |
放送枠 | フジテレビ木曜夜9時枠時代劇 |
放送分 | 55分 |
回数 | 50 |
概要 編集
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「十六店(じゅうろくだな)」という裏店長屋にある日、松村信兵衛と名乗る浪人が住み着く。素性は知れないが、仕官する気もなく、どうやら侍社会に愛想を尽かして出奔したらしい。信義に厚いが、腰の物は竹光で、長屋の連中からはお人好しだが少々頼りなく思われている。この信兵衛、実は神道無念流の達人であり、長屋の連中がお金に絡んだ困り事に巻き込まれると連中には内緒で「取手呉兵衛(とってくれべえ)」と名乗り、道場破りで人助けのための金を工面して都合をつける、一話完結型の人情譚。
途中から道場破りのシーンでは独特のSE(銃の流れ弾のような「ズギューン」と言った擬音など)が入るようになるほか、信兵衛に思いを寄せ、また妄想癖があるおぶんが中国の皇帝や源氏物語の光源氏、宮本武蔵などの扮装をしている信兵衛を夢想する。また、時代劇であるにもかかわらず全編を通じて人が斬られる殺陣が皆無に等しいなど、従来の時代劇とは異なる独自の演出が施された。
当初、放映期間は半年(2クール)の予定だったが、それまでにないスタイルの時代劇が好評となり、放映期間1年、全50回へ延長されることとなり、そのため、重助役の大宮敏充、おぶん役の武原英子のスケジュール調整がつかず、第27回から重助役は藤原釜足、おぶん役は葉山葉子へ交代となった。
最終回では長屋の住人が吉良邸討入り事件に遭遇し、赤穂義士の中に意外な人物を見つける。松村信兵衛とは世を忍ぶ仮の姿であった…!?
あらすじ 編集
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キャスト 編集
主要人物 編集
- 松村信兵衛 - 高橋英樹
- 主人公。困っている人を見ると放っておけないお人よしの男。鶴之助を預かって育てている。常に金に困っているわりには金への執着は薄い。
- こふね - 浜木綿子
- 長屋の住人で芸者。いわゆる「囲い者」であるが信兵衛に惚れている。信兵衛が実は剣の達人で、道場破りで生計を立てている事を知っている数少ない人物の一人。
- 夜鳴き蕎麦屋を営む老人。おぶんの祖父。
- 岡っ引き。十手を嵩に着て傲慢に振る舞うため長屋の住人からは嫌われているが、実は子煩悩で幼い我が子を一生懸命育てている。
- 重助の孫娘、年齢は18歳。信兵衛に惚れているが彼が剣の達人である事は知らない。強烈な妄想癖の持ち主。
- 長屋の大家。年若い女房のおあきにベタ惚れしている。
ゲスト 編集
スタッフ 編集
- 原作:山本周五郎『人情裏長屋』より
- 企画:白川文造(フジテレビ)、垣内健二、渡辺洋一(東映)
- 脚本:倉本聰、土井行夫、飛鳥ひろし、野波静雄、田上雄、土橋成男
- プロデューサー:渡辺大年(フジテレビ)、田村嘉(東映)
- 音楽:渡辺岳夫
- 監督:斎藤武市、松尾正武、井沢雅彦
- 撮影:脇武夫、木村誠司、平山善樹
- 照明:岡田耕二、椹木儀一、佐々木政一
- 録音:高井唯夫、田中峯生、矢部吉三
- 美術:宇佐美亮、寺島孝男
- 記録:長岡君枝、平井宇津江
- 助監督:曽根勇、久郷久雄、尾田耕太郎
- 編集:鳥居勉、島村智之
- 整音:浜口十四郎、小野岡道秀
- 計測:山口鉄雄、佐賀彰、宮川俊夫
- 衣裳:上野徳三郎、
- 美粧:杉本勢一、林三郎
- 結髪:水巻春江、浜崎喜美江
- 装置:曽根美装
- 装飾:山本重治
- 進行主任:丸本晃
- 擬斗:土井淳之祐(東映剣会)
- 演技事務:上ノ山敏
- 現像:東洋現像所
- 制作:フジテレビ、東映
- オープニング
主題歌/『信兵衛長屋』 作曲:渡辺岳夫 歌:ボニージャックス
- タイトル・バック
「北斎漫画」(芸艸堂版)より
放送日程 編集
放送回 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト |
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1 | 1973年10月 | 4日人情裏長屋 | 倉本聰 | 斎藤武市 | 五味龍太郎 山根久幸 中村錦司 畑中伶一 宮川龍児 大城泰 笹木俊志 森源太郎 折笠:植木等 |
2 | 10月11日 | さむらいの子 | 松尾正武 | 田波六助:財津一郎 沖石主殿:村井国夫 加賀爪若和 浜伸二 池田謙治 木谷邦臣 加藤匡志 内藤康夫 東考 林三恵 村上三七郎:西村晃 | |
3 | 10月18日 | 大当り千両長屋 | 土井行夫 | 井沢雅彦 | おたま:桜むつ子 舟さま:成瀬昌彦 杉山俊夫 奥村真俊 劇団アカデミー 林多聞:宍戸錠 |
4 | 10月25日 | かあちゃん頑張れ | 飛鳥ひろし | 松尾正武 | 勇吉:寺田農 おさん:梶三和子 豪傑:遠藤辰雄 市太:島米八 三郎:杉山光宏 徳さん:古川ロック 森章二 富永佳代子 大月正太郎 草木宏之 赤崎浩樹 お勝:市原悦子 |
5 | 11月 | 1日奇妙な仇討ち | 野波静雄 | 井沢雅彦 | 仁藤昂軒:葉山良二 かね:赤座美代子 諸岡三羽:武藤章生 竹庵:日高久 山田良樹 新城邦彦 宮崎博 劇団アカデミー 双子六兵ヱ:河原崎長一郎 |
6 | 11月 | 8日危うし!鼠小僧 | 斎藤武市 | 高城丈二、藤山喜子、波多野博 | |
7 | 11月15日 | 大砲がやってきた | 飛鳥ひろし | 松尾正武 | 菊容子、住吉正博、長門裕之、黒部進 |
8 | 11月22日 | 二十三人の裸侍 | 野波静雄 | 鳥居恵子、亀石征一郎 | |
9 | 11月29日 | 九年目の浮気 | 飛鳥ひろし | 亀井光代、富田仲次郎、上田忠好 | |
10 | 12月 | 6日居候が恋をした | 斎藤武市 | 山本学、中村英子、中村孝雄、志賀勝 | |
11 | 12月13日 | 立ち退き大作戦 | 野波静雄 | 松尾正武 | 金子信雄、人見明 |
12 | 12月20日 | 金太の嫁さん | 飛鳥ひろし | 真山知子、村田知栄子、神田隆、鮎川浩 | |
13 | 12月27日 | はきだめの鶴坊 | 土井行夫 | 斎藤武市 | 小池朝雄、土屋靖男、嵯峨善兵、高原駿雄 |
14 | 1974年 | 1月 3日迷刀関の孫八 | 田上雄 | 松尾正武 | 多々良純、有島一郎、畑中伶一 |
15 | 1月10日 | 泣くな又平 | 飛鳥ひろし | 斎藤武市 | 谷啓、今井健二、新橋耐子、 |
16 | 1月17日 | 大騒ぎ芝居見物 | 土井行夫 | 砂塚秀夫、高田敏江、近藤宏、安部徹、 | |
17 | 1月24日 | やきいもや | 野波静雄 | 津川雅彦、美川陽一郎、梶三和子、 | |
18 | 1月31日 | おぶん可愛や孫娘 | 田上雄 | 松尾正武 | 桑山正一、堺左千夫、幾野道子、 |
19 | 2月 7日 | 乞食はつらいよ[注 1] | 飛鳥ひろし | 山田吾一、大友柳太郎、西山辰夫、 | |
20 | 2月14日 | 石になった道場主 | 野波静雄 | 斎藤武市 | 島田正吾、石山律雄、八木孝子、町田博子、
森秀人(クレジットのみ) |
21 | 2月21日 | 追って沙汰する | 土井行夫 | ハナ肇、太宰久雄、小松方正 | |
22 | 2月28日 | ちちんぷいぷい | 土橋成男 | 松尾正武 | 浜美枝、長谷川明男、原口剛、 |
23 | 3月 7日 | 意地豆腐 | 飛鳥ひろし | 松山省二、緑魔子、中田博久、 | |
24 | 3月14日 | 片想い未練橋 | 田上雄 | 斎藤武市 | 御木本伸介、稲垣光穂子 |
25 | 3月21日 | 妻と呼びたい | 飛鳥ひろし | 栗塚旭 藤岡重慶 永井秀明 | |
26 | 3月28日 | 悪い道場 良い道場 | 土井行夫 | 井沢雅彦 | 南原宏治、鳥居恵子、加藤嘉、山岡徹也 |
27 | 4月11日 | まごころ | 飛鳥ひろし | 松尾正武 | 京塚昌子、谷村昌彦 |
28 | 4月18日 | 鶴が泣くとき酒が降る | 野波静雄 | 芦屋雁之助 | |
29 | 4月25日 | ともしび | 土橋成男 | 斎藤武市 | 森次晃嗣、大川栄子、吉川雅恵、遠藤太津朗 |
30 | 5月 2日 | あるとき払い | 飛鳥ひろし | 松尾正武 | 鈴木瑞穂、石橋蓮司、小野恵子、柳瀬志郎、
西山嘉孝、杉山光宏 |
31 | 5月 9日 | もらい水 | 土井行夫 | 斎藤武市 | 横山道代、井上昭文、福本清三 |
32 | 5月16日 | おりんと村次 | 土橋成男 | 松尾正武 | 吉行和子、入川保則 |
33 | 5月23日 | ころび茶碗 | 野波静雄 | 斎藤武市 | 酒井修、稲葉義男、松木聖 |
34 | 5月30日 | むかしも今も | 飛鳥ひろし | 赤座美代子、小林勝彦、高津住男 | |
35 | 6月 6日 | 平七おあきに首ったけ | 土井行夫 | 松尾正武 | 佐藤蛾次郎 |
36 | 6月13日 | ふり袖娘剣法 | 土橋成男 | 宮園純子 | |
37 | 6月20日 | 通しゃんせ | 中村玉緒、梅野泰靖、大泉滉 | ||
38 | 6月27日 | ガマの油 | 野波静雄 | 斎藤武市 | 大山克巳、江幡高志 |
39 | 7月 4日 | かんにん袋 | 飛鳥ひろし | 穂積隆信、工藤堅太郎 | |
40 | 7月11日 | めぐりあい | 土橋成男 | 松尾正武 | 和泉雅子、津島恵子、植田峻 |
41 | 7月25日 | とまれ銀太 | 野波静雄 | 斎藤武市 | 今井健二、田崎潤、千代田進一、波多野博 |
42 | 8月 1日 | わらじ | 飛鳥ひろし | 津川雅彦、川島育恵、高桐真、唐沢民賢 | |
43 | 8月 8日 | 侍だましい | 松尾正武 | 中田博久、市毛良枝、小鹿番 | |
44 | 8月15日 | うちへおいで | 土井行夫 | 斎藤武市 | 草笛光子 |
45 | 8月22日 | 植木屋辰造 | 土橋成男 | 桂小金治、藤岡重慶、坂口徹、 | |
46 | 8月29日 | 鍔鳴り浪人 | 田上雄 | 松尾正武 | 岡崎二朗、光川環世、沼田曜一、潮健児 |
47 | 9月 5日 | 当らぬも八卦 | 土井行夫 | 花沢徳衛 | |
48 | 9月12日 | 五分の虫 | 野波静雄 | 三上真一郎、服部妙子、黒部進 | |
49 | 9月19日 | いもうと | 土橋成男 | 斎藤武市 | 竹下景子、富川澈夫、曽根晴美、川谷拓三 |
50 | 9月26日 | 十六店は異状なし | 飛鳥ひろし | 高橋英樹(二役)、村井国夫 |
- 1974年4月4日は『第10回オールスター春の紅白大運動会』(20:00 - 21:55)のため休止[注 2]。
- 1974年7月18日は『FNS歌謡祭 決定! '74音楽大賞 上期賞』(20:00 - 21:55)のため休止。
ネット配信 編集
2022年11月2日から、YouTube「東映時代劇YouTube」の「据置枠」で第1・2話が常時無料配信されている。
お助け信兵衛 人情子守唄 編集
「ぶらり信兵衛 道場破り」の22年後に同じ高橋英樹の主演で制作された単発時代劇。放送局も制作会社も異なるが、原作や主人公・松村信兵衛のキャラクターなどを引き継いでいる。「高橋英樹特選時代劇」第2話として放映された。
脚注 編集
注釈 編集
- ^ サブタイトルに差別用語を含み、また劇中にも今日では不適切な表現があるため、時代劇専門チャンネルでは、本作品が放送される度毎に、本編前にオリジナルのまま放送する旨のテロップが付されている。
- ^ この時期の『オールスター紅白大運動会』は、通常は『火曜ワイドスペシャル』での放送だが、この回は2時間番組となったため、この枠で放送された。
出典 編集
関連項目 編集
外部リンク 編集
フジテレビ系列 木曜21時台 | ||
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ぶらり信兵衛 道場破り
【本作より時代劇枠】 |